朝起きて、
もしかしたら道枝くんが居ないんじゃないかと思い、
目を覚ました。
案の定隣に、
道枝くんの姿はなかった。
僕は少し不安になり、
リビングに向かった。
リビング_
僕はまだ眠く目が閉じてしまい、
前があまり見えないから
小さい声で道枝くんを呼んでみる。
僕が探していた道枝くんは
案外近くにいた。
キッチンで朝ごはんを作ってる。
僕は道枝くんのところに行き
抱きついた。
そう言えば、
薬を飲んでもあんなにぐっすり
眠れたことは無かった。
道枝くんのおかげなのかな…?
朝ごはん_
準備が終わり、ショッピングモールに向かう。
誰かと買い物なんて初めてかも…
僕は少し胸が踊った。
その時僕は、
道枝くんの言っていることが
よく分からなかった。
あの後道枝くんに
服とかパジャマとか沢山買ってもらった。
帰り道_
道枝くんと話してると
自然に笑えてきて、
素の自分で居られる気がした。
道枝くんが助けてくれなかったら、
今僕はこの世にいなかったのかな?
そう考えると、
一瞬の出来事も一生なんだなって…
生きるのが嫌だったけど、
今は幸せで、
君が居てくれるなら
もっともっと生きたいって思える。
家に帰ってきて、
夜ご飯を食べて、お風呂に入った。
好きな人、か…
正直いた事は無いかもしれない、
そもそも好きが分からない。
その言葉を聞いて出てくるのは
君の顔。
でも好きなのかは分からなくて、
僕は道枝くんにどんな感情を抱いてるのかな?
道枝くんは、
僕の事が好きなんだっけ?…
もしかして傷つけてしまったかもしれない。
でも今の僕には君に対するちょうどいい感情の表現が見つからなかった。
next…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。