第21話

夏の日差しに照らされて
7,442
2022/03/26 16:37


\キーンコーンカーンコーン/







やっと6限目が終わった…






夏の学校ほど憂鬱なものはないと思う。





それもそのはず、






窓側の席で、





太陽の日差しが突き刺さり、






エアコンの風が当たらない。






総じて…


道枝駿佑
道枝駿佑
暑い…

この席に当たってしまったことを何度悔やんだこ
とか…





夏とは仲良くやって行ける自信が無い、、
道枝駿佑
道枝駿佑
!?


急に顔に冷たさを感じた俺は、





びっくりして反射的に横を見る。
長尾謙杜
長尾謙杜
驚いた?笑
そこには「にししっ笑」と





まるで効果音が入りそうなくらい、





イタズラな笑みを浮かべている長尾が居た。
道枝駿佑
道枝駿佑
長尾か、
道枝駿佑
道枝駿佑
驚かせんなよマジで…笑

長尾とは小学校からの仲で、





中学、高校と同じ学校。





しかも今は同じクラス。





同級生であり、親友だ。
長尾謙杜
長尾謙杜
だってあまりに暑そうやから笑
長尾謙杜
長尾謙杜
ほら、顔にお茶当てたらひんやり
するやろ?笑
道枝駿佑
道枝駿佑
まぁそうやけど、笑
長尾謙杜
長尾謙杜
ってかはよ帰ろ!
道枝駿佑
道枝駿佑
おう…





帰り道_
長尾謙杜
長尾謙杜
でも確かに暑いよなぁ…

いつものイタズラな笑みとは違い、





首から汗が滴っている長尾は





なんとも色っぽくて、





目を離せずにいた。
長尾謙杜
長尾謙杜
…っちー?
長尾謙杜
長尾謙杜
みっちー?
道枝駿佑
道枝駿佑
…ぁあ、何だっけ?
長尾謙杜
長尾謙杜
聞いてないやん…笑
道枝駿佑
道枝駿佑
ごめんぼーっとしてた、
長尾謙杜
長尾謙杜
笑笑
道枝駿佑
道枝駿佑
何の話だっけ?
長尾謙杜
長尾謙杜
だから、
長尾謙杜
長尾謙杜
今日みっちーの家行ってい?
道枝駿佑
道枝駿佑
え、?
道枝駿佑
道枝駿佑
なんで?
長尾謙杜
長尾謙杜
ゲームしたい!
道枝駿佑
道枝駿佑
一人で出来るやんか
長尾謙杜
長尾謙杜
スマブラひとりじゃ詰まらんやろ?
道枝駿佑
道枝駿佑
まぁ…
長尾謙杜
長尾謙杜
あかんの?
長尾謙杜
長尾謙杜
今日都合悪い?



別に長尾と居たくない訳じゃない。





ただ最近の俺は、






長尾を見るとよく分からないが、






鼓動が早くなる気がする。





何故だかは分からない…






最近の俺はおかしい。






だから長尾と居ると、





もっと変になってしまいそうで、






少しだけ怖かった。






でも断わる理由にはならない。
道枝駿佑
道枝駿佑
…いいよ、笑
長尾謙杜
長尾謙杜
しゃぁー!
長尾謙杜
長尾謙杜
じゃ行こ!
道枝駿佑
道枝駿佑
はいはい、笑


みっちー宅_
長尾謙杜
長尾謙杜
お邪魔しまーす!

正直長尾を家に入れた回数は少なくはない。






長尾も完全に家の構造を把握してるから、





俺が行くより先にずかずかと部屋に入っていった。
長尾謙杜
長尾謙杜
相変わらずみっちーの家綺麗やな〜…
道枝駿佑
道枝駿佑
そう?
長尾謙杜
長尾謙杜
俺なんて使ったもの出しっぱ笑
長尾謙杜
長尾謙杜
ね〜片付け手伝いに来て〜笑

俺の腕を握りぶんぶん振り回す長尾。
道枝駿佑
道枝駿佑
は〜…言われたら行くのに…笑
長尾謙杜
長尾謙杜
え、冗談のつもりやったんやけど笑
長尾謙杜
長尾謙杜
じゃあ今度来て?
道枝駿佑
道枝駿佑
うん、笑
長尾謙杜
長尾謙杜
みっちーのお嫁さんになる人は幸せもんやな〜笑
長尾謙杜
長尾謙杜
みっちー取られる前に立候補しちゃってもええかな?笑
道枝駿佑
道枝駿佑
!?
長尾謙杜
長尾謙杜
なんちゃって笑

相変わらず俺の手を握りながら、





上目遣いで俺をもてあそぶ。






冗談だって、





からかっているだけだって、






自分でも分かっているのに、






顔には熱が集まる一方で






心臓は鼓動を止めることを知らなかった。


長尾謙杜
長尾謙杜
なぁみっちー…?
道枝駿佑
道枝駿佑
ん?

俺は止まらぬ鼓動を必死に抑えながら、






平常心を保っていたのに、






急に長尾が俺の頬に手を当てた。

道枝駿佑
道枝駿佑
え、?
長尾謙杜
長尾謙杜
やっぱり顔赤いし熱いで?
長尾謙杜
長尾謙杜
熱中症?

心配そうに俺の顔を覗き込む長尾。





でも今の俺にはその行動が逆効果ということを、





長尾は気づいてなんかいない。






俺の顔が赤い理由が、





自分だってことも、






当の本人は知る由もないだろう。
道枝駿佑
道枝駿佑
ね、熱中症なんかじゃないから!//
長尾謙杜
長尾謙杜
え、でも…
道枝駿佑
道枝駿佑
アイス取ってくる!//
長尾謙杜
長尾謙杜
あ、




思わず逃げてしまった…







長尾に触られたところが





まだじんじんと熱い。







やっぱり今日の俺はおかしい。





いつもならこうはならないのに…






気持ちを落ち着かせて部屋に戻る。
長尾謙杜
長尾謙杜
あ、大丈夫?
道枝駿佑
道枝駿佑
あ、まぁ
道枝駿佑
道枝駿佑
はい、アイス…
長尾謙杜
長尾謙杜
お!ありがと!

なんで君は普通で居られるの?…








分からない…
長尾謙杜
長尾謙杜
ん、おいし(*´꒳`*)
長尾謙杜
長尾謙杜
……
長尾謙杜
長尾謙杜
じー( ⚭-⚭)
道枝駿佑
道枝駿佑
…何?
長尾謙杜
長尾謙杜
みっちーの美味そうやなーって…
道枝駿佑
道枝駿佑
え〜…
長尾謙杜
長尾謙杜
ぱくっ
道枝駿佑
道枝駿佑
は、?
急に長尾が俺のアイスを食べる。
道枝駿佑
道枝駿佑
……/
長尾謙杜
長尾謙杜
…あかんかった、?
道枝駿佑
道枝駿佑
…チュッ
長尾謙杜
長尾謙杜
ん、?!

長尾の手を引いて、





思わずキスしてしまった…
長尾謙杜
長尾謙杜
え、え、…
瞳が左右に揺れて戸惑っている。





そりゃ親友に急にキスされたら誰だって驚くだろう…
道枝駿佑
道枝駿佑
…あ、その、ご、ごめん!…

怖い…






親友を失いそうで…

長尾謙杜
長尾謙杜
なん、で…
道枝駿佑
道枝駿佑
分からへん…
道枝駿佑
道枝駿佑
気が動転してた…
道枝駿佑
道枝駿佑
でもほんまにわざとや無くて…
長尾謙杜
長尾謙杜
俺のこと好きなん…?
道枝駿佑
道枝駿佑
え、

悲しそうと言うか、





なんとも言えない顔をしている長尾を見て、






自分が長尾を好きだったら






なにか都合が悪いのでわないかと思った。






長尾は明らかに嫌がっている。






自分は長尾が好きなのだろうか…






考える前に答えが出ていることくらい分かる。







でも仮に、







俺が今長尾に好きと言ったら…







君はきっと俺から離れていくだろう。






今更悪ふざけたと言っても、





自分が最低なのに変わりは無い。







じゃあ今俺は、







なんて言うのが正解なの、?
道枝駿佑
道枝駿佑
……ごめ、
長尾謙杜
長尾謙杜
謝って欲しいんじゃない、
長尾謙杜
長尾謙杜
もし、悪ふざけだとして
長尾謙杜
長尾謙杜
好きでも無い俺に面白半分で
キスしたなら、
長尾謙杜
長尾謙杜
本当にやめて欲しい…
長尾謙杜
長尾謙杜
俺の心をもてあそばないで…

思っていた反応じゃない。






長尾はキスされた事じゃなくて、





した理由が悪ふざけだとしたら嫌だと言っている。





もちろん悪ふざけなんかじゃない。
道枝駿佑
道枝駿佑
ごめん長尾…
道枝駿佑
道枝駿佑
悪ふざけでやったわけじゃない、
道枝駿佑
道枝駿佑
親友にこんな感情を抱くなんて
変だって、
道枝駿佑
道枝駿佑
自分でも分かってるけど…
道枝駿佑
道枝駿佑
俺今までと同じように長尾と接することは出来ない…
道枝駿佑
道枝駿佑
もっとキスしたいって思うし、長尾に触れたいって思う…
道枝駿佑
道枝駿佑
俺変だよね…
長尾謙杜
長尾謙杜
その言葉、
長尾謙杜
長尾謙杜
信じていいの?…
道枝駿佑
道枝駿佑
…今言ったことは全部本心、
長尾謙杜
長尾謙杜
良かった…
優しくゆっくり長尾に抱きしめられる。
道枝駿佑
道枝駿佑
え、…?
長尾謙杜
長尾謙杜
みっちーに限って悪ふざけでキスするなんてあるわけないよね笑
長尾謙杜
長尾謙杜
知ってたよ、
長尾謙杜
長尾謙杜
みっちーがそうゆう人間じゃないって笑
道枝駿佑
道枝駿佑
急にキスなんかしてごめん、
道枝駿佑
道枝駿佑
でもアイス食べてきた長尾も悪い…
長尾謙杜
長尾謙杜
あれは…ごめん笑
道枝駿佑
道枝駿佑
もういいけど笑
道枝駿佑
道枝駿佑
ねぇ長尾?
長尾謙杜
長尾謙杜
ん?
道枝駿佑
道枝駿佑
キスしていい?
長尾謙杜
長尾謙杜
…ばか//一々聞かないでよ…//
道枝駿佑
道枝駿佑
ふふっ笑
道枝駿佑
道枝駿佑
チュッ
長尾謙杜
長尾謙杜
ん…//

親友も恋人も、






俺の中では君だけなんだ…

















end…
作者
作者
長かった気がする…笑
作者
作者
ごめんなさい(´;ω;`)

プリ小説オーディオドラマ