オムライスとかいつぶりだろ…
手作りのご飯ってこんな美味しいんやな…
そう言えば誰かと一緒に食べるのも久しぶりだな…
僕泣いてるの…?
全然そんなつもり無かった。
手にぽたぽたと涙が落ちる。
知らない間に溜め込んでしまっていた。
僕が泣いていると後ろからそっと抱きしめられる。
誰かに愛されたいなんて感情
とっくに自分の中には無いと思っていた。
でもそれは間違いで、
本当は強がってただけで
ずっと寂しかった。
そう言い優しく頭を撫でてくれる。
道枝くんの手は僕より少し大きくて、
なんだかとても安心する。
なんかしてもらってばっかりな気がして
すごく申し訳なかったから、
一緒にやろ、って言ってみた。
正直道枝くんが隣にいると
なんだかすごく安心するから
離れたくなかっただけなんて、おもったりもする。
お風呂_
やっぱり傷口が少ししみて痛む。
今思えば死ぬのってすごく怖い。
なのに僕はあの時なぜ自分を傷つけたんだろ?…
そして道枝くんはなんでこんな僕に優しくしてくれるのだろう?…
全てにおいて病んでいた僕に
道枝くんの優しさはすぐに染みた。
でも1度手に入れた幸せが
すぐに消えてしまうんじゃないかと
裏切られてしまうんじゃないかと思うと、
まだ道枝くんを信用しきれていない自分がいた。
道枝くんに借りた服。
想像以上にぶかぶかだ…笑
道枝くんは高身長だからこうなるのは
分かってたけど、
なんか引きずってる気がする。
道枝くんは今何を考えているのかな…
僕は道枝くんが気になってしかたなかった。
僕達は髪を乾かし、
あ、忘れてた僕不眠症なんだった…
次の日が来るのが怖くて、嫌で、
不安から全然眠れない。
中学生くらいからだ。
でもこんな事言ったら
道枝くんはずっと心配して起きてるかも…
言わないでおこう。
10分後_
…やっぱり寝れない。
どうしよう、
道枝くんは寝てるだろうし音立てれない…
いつもの薬ないから絶対寝れない…
だんだん手足が震え出した。
薬があれば止まるのに…
道枝くんが起き上がる。
道枝くんが近ずいてきて、手を握る。
どうやら道枝くんに、
嘘はつけないみたいだ。
道枝くんが急にベッドの中に入ってきて、
僕を包むように抱きしめる。
確かに震えが治まってきてる。
道枝くんに抱きしめられると、
すごく暖かくて、
心地がいい。
なんか眠くなってきたかも…
僕は夢の中へと吸い込まれて行った。
next…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。