第4話

Lil💜×兄妹
1,101
2020/09/13 13:06
































風雅
「おはよ」















「風雅あつい」





















目を開ければ愛する人がおる幸せ。


















何回その幸せに触れても慣れんくて。















今日もまた ぼーっとする頭のまま
抱きしめる。






































「講義何時から?」


















風雅
「昼から」















「一緒や。
あなた起きるけど、まだ寝ててえーよ。」





























その言葉に甘えて、2人の体温で温められたベッドに1人留まる。




























スマホを手に取ると、いつも通り親から何度もメールがきてる。
































俺らは、親不孝ものや。














同じ大学に合格したのが分かった次の日、あなたと家を出た。
















































傍から見ればただの同棲カップルに見えるんやろか。

















ほんまにそうならええのにな。



























20年前から変わらへん。


俺らは、双子の兄妹。


































高校のとき俺があなたに告白して、
お互いに好きを確認した。











































でも、うちの親は何事にも厳しくて、
案の定二人の関係を許す訳もなく。




























こうするしか、なかったんや。
















































































包丁がまた板に当たる、規則正しい音が聞こえ始めて起き上がる。

























桃色のエプロンをつけて朝ごはんをつくる姿があまりにも愛おしい。
























風雅
「おはよう、俺の奥さん」






















「おはようございます、旦那さん」

























いたずらっぽく笑って振り向くあなたをもう一度抱きしめて、

離して、





手を取った。



























左手の薬指を絡ませれば
切ない表情を浮かべるあなた。

















きっと俺も同じ顔してる。












































































この指を俺のものに出来へんなら、









せめて。


























死ぬまで2人のこの指は、










開いたままにしようって、




























今度は小指を絡ませた。








































(おわり)

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