あの長い夜が明け、カーテンの隙間から日が差した
俺はおぼつかない手つきでスマホを見た
示す時間は昼の12時
寝たのは何時だっただろうか
俺が抱きしめるとまた彼女は眠った
あれから何時間たったか
カーテンからは夕日が少し見えた
俺は彼女をギュッと抱きしめた
俺たちはどちらともなく唇を近づけた
あんなに激しく求めあったのは初めてだったかもしれない
だからこそお互いが色っぽく見えた
彼女は小さな声だったが呼び捨てで呼んでくれた
俺は昨日のことも考えると心配なことがあった
彼女は恥ずかしいのかそっぽ向いてしまった
俺はそっと後ろから抱きしめた
俺たちはお互いに向き合いそっと抱きしめあった
すると鳴る俺のスマホ
ヴヴッ
俺はスマホを確認した
俺は社長と前から少しずつ話し合って、結婚式のことを決めていた
ゆっくり結婚式はしたいから仕事を止めたい
だから、日取りなど長いスパンで見ていた
俺は社長に返信をしてスマホを置いた
そう彼女は言うとタオルを巻いて部屋を出た
その時に見えた体中のキスマーク
ありえない数の赤い印が付いていた
俺はちょっと反省しながらも昨日のことを思い出して彼女を待った
しばらくして俺も準備が終わり二人とも家を出るため玄関に向かった
ギュッ
俺は彼女の手を握り家を出た
結婚式楽しみだな
プランを決める、ただそれだけで俺の心は踊った
そんな軽い足取りで事務所に向かった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。