式場に着くとドアの前に社長とまるくんがいた
そう返事をするとまるくんは私の前にやってきた
そう言い、まるくんはそっとベールを下ろしてくれた
私はスタッフさんに誘導されドアの前に着いた
いつもは言わないこんな言葉
でも、今日だけは選んだ
私は差し出された腕に絡めた
すると鳴り響くベルの音の中開く大きなドア
私は社長と一礼するとそのままゆっくりと進んだ
一歩、一歩を踏みしめるかのように
絃歩の元へ進んだ
コツッ、コツッ、コツッ、コツッ…
しばらくして、絃歩の元へと着いた
俺はそっと彼女の腕を解き、ふぉいに託した
俺はそっと彼女の腕を絡め前へと進んだ
ゆっくりと進むと泣いている銀太と脇が見えた
俺は幸せを噛み締めながら歩く
数歩歩くと神父さんの前へ着いた
俺は彼女の手袋を外した
左手の薬指にそっとはめる結婚指輪
彼女も俺の左手の薬指にはめてくれた
俺たちはそっと微笑んだ
彼女は静かに頭を下げてくれた
そっと上げるベール
そこには綺麗な彼女の笑顔があった
俺はそっと彼女に口付けをした
それは世界一優しくて甘いキスだった
しばらくして離れる唇
みんなの大きな拍手が聞こえてくる
その時間は人生で一番幸せだった
やっと本当の意味で愛された気がした
俺たちはそっと抱き合い愛を確かめた
周りからは囃し立てる声が聞こえる
でも、今だけは許せた
幸せすぎて、言葉にならなかった
ありがとう出会ってくれて
これから最高に幸せな家庭を築いていこうね
愛してるよ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!