なんとか早足で帰ったから乗り切れた
結局あの足音は最後まで消えることなくずっと付いてきた
俺はお礼をいい、部屋に入った
一人になるとまた感じるあの時の恐怖
彼女が早足で帰るのも気になるがこの不安な気持ちが何かを表しているようで怖かった
俺は気にせず仕事に集中した
一方彼女は…
野菜をみじん切りにして炒めたりした
心配ではあったが気にせず炒めた
それと同時に思い出す、あの足音
一人で買い物に行くのが怖くなった
実は絃歩くんに言ってないが、しばらく前からこんな感じが続いている
不安ではあったが、ご飯を作ることに集中した
しばらくしてできたチキンライス
みんなの名前を書いて机に並べた
そう絃歩くんが言うと元気な挨拶が聞こえてきた
私はそう言うとちょっとその場を離れようと思った
また急に不安が押し寄せてきてご飯どころじゃない
ガチャ
俺は心配で食べる気にならなかった
折角作ってくれたのに冷ますのは失礼
でも…
俺はご飯を置いて部屋に向かった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!