第97話
残酷な現実②
私は事務所を一人で出た
怖いのでなるべく早足で近くのスーパーに向かった
足跡は聞こえるような気がするがまだ周りに人もいるしとりあえず一安心した
私は目的のコンソメを選んだ
私は絃歩くんがいつも食べてるお菓子とコーラをカゴに入れレジに向かった
普通の買い物なのに心配で心臓が押しつぶされそうだった
お店を出て空を見るともう暗くなり始めていた
早く帰ろうと思ったその時
3.2.1…パシャッ
その女の子はお礼を丁寧に言ってくれてその場を離れた
話し込んでしまってあたりは暗くなっていた
私は早足で家路を歩いた
だいぶ早く歩いたので事務所は近づいた
コツッコツッコツッコツッ…
また聞こえる足音
しかも段々と大きくなっている
私は命の危機を感じさらに早足で歩いた
コツッコツッコツッコツッ…
事務所が近くなって来て見えかけていた
もう帰れる、そう思っていた
何となく気配が近い気がする
不安になったが曲がった帰れると思って早足で歩いた
そしてその角を曲がろうとした
その時
ガツンッ
バタンッ
私は後ろから重たいもので殴られた
ガンッ
私はもう一回殴られた
その女は笑いながらその場を去っていく
助けを呼びたいのに呼べない
頭が痛む
殴られたところから血が流れ出てるのが分かる
倒れた横に血がこぼれている
意識が遠くなっていく
絃歩くんの顔が浮かぶ
約束を守っていればこんなことにならなかったのに
血が溢れて全身の力も抜けていく
このまま絃歩くんと会えなくなるのかな
最期まで一緒にいるって約束したのに
今が最期ならもっと一緒に二人の時間を過ごせばよかったな
ごめんね、絃歩くん
自分を責めないで
私はあなたをずっと愛してます
離れてもずっと一緒
私はそっとブレスレットを手に握った
そして意識を手放した
さようなら、絃歩くん