ラインライブから数日
ずっと絃歩に言い出せないでいた
匂いに敏感で気持ち悪い事を
そう言う絃歩は少し悲しそうだった
そう言うと絃歩は家を出た
私は妊娠初期のことを調べた
次々と当てはまる条件
私はそっとお腹を撫でた
私はカバンを手に出かけた
ウィーン…
そう言われついて行ったところに何種類もあった
差し出されたものは誰でも簡単にできるものだった
そう言うと店員さんは行ってしまった
私は不安な中店内を歩いた
食料品のところに差し掛かると感じる嫌悪感
私は逃げるようにその場を去った
ウィーン
私は家路を急ぎ早く帰った
ガチャッ
帰って来るはずのない返事
私はリビングの机に荷物を置いた
私は妊娠検査薬を手に取り御手洗へと向かった
しばらくして
そこに浮かび上がる一本の赤い線
小さな命が宿っていることを示した
もちろん、結婚してからというもの避妊はしていなかった
十分理解出来る
私は嬉しかった
二人の命が繋いだ宝に思えた
でも、同時に不安が押し寄せてきた
涙が自然と溢れてきた
私はおぼつかない足取りでリビングに向かった
絃歩が帰ってくるまであと数時間
私は妊娠検査薬を握りしめたまま眠っていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。