第113話
彼女は検査のために一度部屋を出ていった

では、後ほど検査結果などをお伝え致します

はい…、お願いします…
彼女がいなくなった病室
俺は社長に電話をすることにした
プルルルルルル
カチャ

あっ、もしもし…お疲れ様です

あぁ、今終わったよ

どした?

社長…っ、そのっ…

グスッ…ヒック
喋りたいのに嗚咽が漏れて上手く声が出ない

大丈夫、ゆっくりでいいっちゃん

さっき…っ、目を…覚まして…っ

ほ、ほんとに…っ?

はい…っ、小さいけど声も聞けました…っ

そうか…っ、そうか…っ

グスッ…

社長…?

ごめん…っ、ほんとに俺嬉しくて…

はいっ…、俺も嬉しいです…っ

社長来れますか…?みんながいた方がいいかと…

もちろん向かうよ、みんな仕事終わったけん今から行くわ

はい…っ、お願いします…
そう言い、電話を切った

ほんとに…っ、良かった…

ありがとう…っ
彼女が目覚めたことが本当に嬉しかった

早く元気になって欲しいな…
元気になったら何しよう
そんなことを考えながら彼女とみんなが部屋に来るのを待っていた
しばらくして彼女が部屋に帰ってきた
疲れているのか眠っている

検査は全て終了しました

ありがとうございます…

結果の方ですが、脳の障害は見当たりませんでした。また記憶障害の方も大丈夫そうです。

まだ目覚めたばかりで疲れが溜まりやすいので寝ることが多くなると思いますが、悪いことではないので安心してください

…っ、はいっ…

またなるべく話しかけてあげてください。喋ることが回復にも繋がります

わかりました…っ

では…私はこれで失礼します
そう言い先生は部屋を後にした

はあ…っ

良かったね…、何も障害はないって…
俺は彼女の髪を撫でながら話しかけた
ガラッ

…!社長…!

おぅ、みんなもおるっちゃん

来たよ…?

目が覚めたん?

大丈夫…?

目は覚めたんだけど、また寝ちゃった…

そ、そうか…

みんな座って?
みんなそれぞれベッドのそばにいき椅子に座った

ほら、みんな来てくれたよ?

おーい、しゃっちょです☆

俺来たよー、美味しいお菓子持ってきたよ?

俺は何も無いけど…、オシャレなバー見つけたっちゃん

目が覚めて良かったね…、俺嬉しいよ…っ

まぁ、まだ起きないと思うよ。疲れてるし…
ギュウッ
俺たちは彼女の手をみんなで握った

ん…、みんなおるよ、ひとりじゃないよ…

ん…

あれ…?

起きた…?

起きたの…?

うん…、みんな…?

やっと…っ、俺寂しかったよ…っグスッ

まる、泣くなや…っ

おはよ…、久しぶりっちゃんね

ごめんね…うるさかったかな…?

んーん…、嬉しいよ…

ん…、無理しなくていいよっ…

みんな、来てくれたの…?

みんな毎日来てくれてたんだよ

ずっと待っとったっちゃん

俺も待ってたよ

目が覚めて良かったな…っ

しんどかったね…よく頑張ったよ

ありがとう…っ
彼女の目からは涙が零れていた

あっ…

泣かないで…?
俺は彼女の涙を指で拭った

ん…

ふぉい…、すっかり大人になったんやな

え?

出会った頃ばガキだったのに、もう彼女を守れる大人になったんやな…

社長…

ふぉい…今めっちゃかっこいいよ

俺もそう思うわ

ふぉい…ほんとに大人みたい

そうかな…っ

嬉しいわ…
俺はずっと彼女を守れないと自分を責めていた
初めてみんなにそう言われ
嬉しさと自覚が芽生えた

絃歩くんはいつでも大人だよ…

…っ

ありがとう…

いい子やな…
すると彼女は自ら人工呼吸器を外そうとした

ちょっ…!何してるの…!?

ダメたい!

外したら苦しくなるっちゃよ?

ちょっとだけ…っ

いと…っ、こっちに来て…?

え?こ、こう…?

もっと近く…
彼女は俺の顔を極限まで近くにしてと頼んできた

どしたの?

何するんだろ…?

こ、これでいい?早く人工呼吸器付けなきゃ
すると彼女は重たい体を自力で動かし
チュッ…

…!

絃歩くん…ありがとうっ…
彼女は俺にキスをし、また寝てしまった

えっ…あっ…///

あらら…

彼女ちゃん、ふぉいの気持ちがわかっとったんや

すごいな…愛の力って…

ふぉい、早く人工呼吸器つけてあげて…

お、おぅ
俺はまた人工呼吸器を付けてあげて布団を掛け直した

ふぉい…良かったな

はいっ…

今日はみんなで一緒に居ようか

明日からはまた交代になるからね

そうだな、今のうちに

過ごせる時に一緒に居よう

みんな…ありがとうっ…
俺たちは夜どうし語り合い彼女のそばで時を過ごした
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