第84話

約束
5,705
2021/07/28 09:46
⚠️このお話は、81話の「怒り」の続きです!
まだ見てないという方は、そちらから見ることをオススメします!それでは、本編をどうぞ!
伏黒恵
伏黒恵
ハァ…ハァ…
五条先生…一体…どこ行ったんだ!?
まさか…もうあなたの所まで行ったのか…?
ドンッ!
伏黒恵
伏黒恵
!?グッ!
!?ごめん!ちゃんと前見てなかったから…
怪我はない!?
伏黒恵
伏黒恵
ッテテ…はい、大丈夫です。
こちらこそ、ぶつかってすみませんでした…って、五条先生!?
五条悟
五条悟
…って、なんだ恵か…
ごめんね、急いでたんでしょ?
怪我はない?
伏黒恵
伏黒恵
大丈夫です。
五条悟
五条悟
なら良かった。
で、急ぎの用事あるんじゃないの?
伏黒恵
伏黒恵
あ、それはもう大丈夫です。
俺の用事は五条先生に会うことだったので。
五条悟
五条悟
…僕に用事?
伏黒恵
伏黒恵
はい。…さっきは、五条先生の気持ちも考えずに起こってしまって、すみませんでした。ペコリ
五条悟
五条悟
…ううん、僕の方こそごめんね。
恵の言葉でようやく目が覚めたよ。
自分がやった事の重大さにようやく気が付いた。気づかせてくれて、ありがとう。
伏黒恵
伏黒恵
…五条先生。
一体…あなたに何て言ったんですか。
五条悟
五条悟
…『必要ない』って、言っちゃったんだ。
伏黒恵
伏黒恵
!?
五条悟
五条悟
…本当はこんな事言うつもりはなかったんだ。
もっと違うことを言うつもりだったのに、気づけばそんな事を言ってた。
あなたを傷つけて、苦しめた。
今もずっとあなたは一人ぼっちで。
ずっと謝らないとって思ってたのに、日が経つにつれてどんどん後悔だけが残っていって。
気づいてたはずなのに、見て見ぬ振りしてあなたを傷つけて…
こんなの、あなたの兄失格だよね。
…あなたも、僕を置いてどこかにいっちゃうような気がするんだ…。
ねぇ恵…僕はどうするべきギュッ…?
気づけば俺は…
伏黒恵
伏黒恵
五条悟
五条悟
…恵?
五条先生を抱きしめていた。
伏黒恵
伏黒恵
…もう、分かりましたから。
五条悟
五条悟
…えっ?
伏黒恵
伏黒恵
(ほんとこの兄妹は…)
どこまで同じなんだ…。
五条悟
五条悟
…ごめん、なんて言ったの?
伏黒恵
伏黒恵
…なんでもないですよ。こっちの話です。
それよりも…
五条悟
五条悟
伏黒恵
伏黒恵
…たとえ、アンタが一人なったとしても俺は、絶対アンタの側から離れませんから。
何があっても。これだけは約束させてください。
五条悟
五条悟
!?
伏黒恵
伏黒恵
俺は…アンタを救いたい。
禪院家に売られるはずだった俺を、アンタが助けてくれた。
アンタが…俺をここまで導いてくれた。
俺は、アンタに恩返しをしたい。
今までずっと助けてもらった分、恩返しをさせて欲しい。それに…
伏黒恵
伏黒恵
辛かったり、苦しかったら誰かを頼ってもいいんですよ。あなただって人間なんですから。……最強なんかじゃない。一人の人間なんですから。
五条悟
五条悟
!?
気づけば、無意識に口を開いていた。ゆっくりと俺を見る五条先生。その目にはいつものような鋭さはなく、どこか……寂しい光を放っていた。
伏黒恵
伏黒恵
思えば、俺は五条先生のことをなにも知りません。こんな姿も初めて見たし、過去の五条先生に何があったのかも知りません。アンタは俺やあなたが幼い頃から一緒にいたのに,今まで気づいてこれなかった。いつも笑って、優しく見守ってくれていた。アンタに、"苦しい"なんて感情、ないんだと思ってた。(どうして気づかなかったんだ?どうして…)だから…(だからこそ…)
俺は…本当のアンタを知りたい。
あなたの兄でもなく、俺たちの先生でもない…なんの肩書きもない、『五条悟』を。俺が…アンタを照らす光になりたい。
それじゃあ…ダメですか?
五条悟
五条悟
!?
五条悟
五条悟
…そっか。恵は…そんな風に思っててくれたんだね。
伏黒恵
伏黒恵
言っておきますけど、冗談なんかじゃありませんから。
五条悟
五条悟
…うん。僕もそこまでバカじゃないからわかるよ。
五条悟
五条悟
…恵、強くなってよ。
僕に置いていかれないくらい。
伏黒恵
伏黒恵
…それくらい分かってます。
いつかアンタを超えられるように、ずっとアンタのこと…追いかけ続けますから。
五条悟
五条悟
…そっか。
伏黒恵
伏黒恵
…必ずあなたを助けてください。
俺じゃそれはできない。
ずっと一緒にいて、お互いが分かり合ってるアンタらじゃないと無理だから。
伏黒恵
伏黒恵
俺と五条先生の約束ですよ?
必ず助けてくださいね。
約束破ったら…承知しませんから。
五条悟
五条悟
うん、分かってる。
恵との約束は絶対に果たすよ。
伏黒恵
伏黒恵
五条先生!
五条悟
五条悟
伏黒恵
伏黒恵
…頑張ってくださいね。
俺はこれくらいの言葉をかけることしか出来ませんけど、ずっと…待ってますから。
アンタとが一緒にここに帰ってくること。
五条悟
五条悟
!うん。ありがとう恵。
…行ってきます。タッタッタ
伏黒恵
伏黒恵
…あなた。必ず…帰ってこいよ。

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