あれ以来あなたは少しずつ戻りつつある。
あの時からは考えられなかった“笑顔“。
その笑顔が少しずつ、悠仁達と触れて話すことで少しずつ増えていった。
けど、あれ以来僕はあなたと話せないままだ。あなたは元に戻って来ているのに。
僕は…またあなたを壊してしまいそうで…
…結局あの時校長室での話がまだ出来ないままずっと時間だけがすぎていく。
本当に…
いや…良いわけがない。
でも…もしもう一度それであなたが傷ついたらと思うと…話さない方がいいのではないかと思ってしまう。
…ダメだな僕は。
あなたはどんどん成長しているのに、僕はまだ…
いや…今も逃げてるだけなんだ。
今も昔も…ずっとずっと。
あの時ちゃんとわかり合おうって思って覚悟を決めたのに、あのまま何も出来てない。
もう一度…ちゃんと向き合おう。
もう二度、同じ過ちを…繰り返さない為に。
またあなたが傷つくことのないように。
今僕に出来ることをしなければ。
その為には…
僕じゃだめだ。
だったら…まだヒーローの中では、仲のいい彼に頼むしかない。
タッタッタ
あなた。
ずっと…
もう二度と…あなたを傷つけないように。
同じ過ちを…繰り返さない為に。
今度は僕が…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。