ﾊｧ…ﾊｧ…ここまで来ればとりあえず一安心か…
…お前ら、大丈夫か？

…別に。アイツに言われたから助けただけだ。

…伏黒恵。あいつの…あなたの幼なじみだ。

…お前は怪我ないか？

そうか、良かった。
…いつからお母さんとはぐれたんだ？

…そうか。どの辺ではぐれたのかは覚えてるか？

いや、大丈夫だ。
謝らないでいい。

（特級呪霊は呪力が多いほど集まりやすい。
それは、ほかの呪霊もそうだが…
まさかあいつ、俺たちが逃げやすいようにそこまで予想して…！）
…お前のお母さんは必ず見つける。
それまで絶対にそばから離れないって、約束できるか？

いい子だﾆｺｯ ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

「玉犬　渾」

…なぁ、お母さんから貰ったものとか持ってないか？

貸してくれるか？

このハンカチについてる匂いをおえるか？

…よし、いい子だ。

…ありがとう。助かったよ｡

…ありがとなﾆｺｯ
俺の大事なパートナーなんだ。

？

…じゃあ、この子を頼む。
子供あやすのは得意だろ？

ﾌｩ…（見つけるとは言ったものの、玉犬の合図次第で状況が大きく変わるぞ…というか何でこんな時間に親子がこんな場所に来てるんだ？
どこか出かけ終わっているならまだしも、そんな雰囲気でもなかったし…第一、ここに人が溜まりすぎてる。こんな事一度も…）ｸﾙｯ

（…最悪の状態になった場合、あの子の体が持たなくなる…それだけは避けたいが…）

！？（見つかったか…）
…行くぞ。

ﾊｧ…ﾊｧ…！？
（嫌な予感があたったか…）