私の名前は浜野あなた。小学5年生!
別に、魔法が使えたりとか実は有名アイドルなんです...!とか転生して2度目の人生歩んでます!とかいうザ・ヒロインな要素があるわけじゃない、どこにでもいる平凡な小学生です。
習い事はピアノと塾をやっています。この塾がすっっっごく楽しいんだぁ!
毎週火曜日と金曜日、学校が終わるとすぐに塾へ向かいます。ほら、塾生専用バスってあるでしょ?あれですよ。
バスの運転手さんとは仲がいいし、他の学校の子ともすごく仲がいいし、先生も面白いし、もう最高!学校よりも楽しいかもしれない。
塾の自動ドアをくぐると、先生たちから「こんにちはー」と声がかかります。この挨拶を返して教室へ向かうと、すぐに他校の友達から声がかかります。
「あ、あなたちゃん!宿題のこの問題、分かった?」
「えーっと、これはね、_」
さて、お待ちかねの授業の時間です。今日は算数の日。私たち5年生の算数を教えてくれている山根先生は、今年からこの校舎に来るようになった先生です。優しいし面白いし、授業が分かりやすい!今私が算数を好きなのは、この山根先生のおかげだと思っています。
「___じゃあこれの平均を出してみよう。浜野、できるか?」
あ、私が当てられた。
「んー、12...?」
「おっ、正解!」
ふふ、実は分かってたんだよねぇ。正解して満足そうに笑う私の顔を見て、先生が少し微笑んだ。自分が正解することで、先生が嬉しそうな顔をする、この顔を見るのが最近好きだ。もっと頑張ろうと思える。やっぱり塾って楽しいなぁ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。