頬に当たる風が、私の火照った顔を冷ましていった。
そんな訳ないと自分に言い聞かせた。
気付かないふりをしていた。考えないようにしていた。
そんなこと、ドラマや漫画でしかありえないと思っていた。
私は、そんな気持ちを抱くことなんかないと思っていた。
何気なく検索したワード、何気なく開いたページ。
どのサイトを見たって書かれているフレーズ。それを見る度、胸が痛む。
いつの日か、淡い夢を見た。
私はあの人の前に立っていて、ずっと気付かないふりをしていた気持ちを言葉にする。あの人は笑って、口を開いた_
そこで、目が覚めた。
あぁそうか。この気持ちは。この恋は。
「 . . . . . . 禁 断 の 恋 。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。