無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第4話

・.。*1・.。*
 中学2年、冬。私が通う塾は、次の学年に向けての授業が始まる。英語とか、どんどん難しくなっててテストの点数は落ちまくり。数学だってあんまり伸びないし、どうしよう...ってなってたらある日先生に呼び出された。
 数学科の山根先生。私の担当になってもう3,4年目になる。

「浜野、何で呼び出されたか、分かるな?」
「いや...ちょっと心当たりないですね」
「そうか。いや実はな、お前の親御さんのところに電話しようと思ってな?」
「えっ。まってまってまってまってダメダメダメダメ!!!!!!」
「何だ、何か言われたらまずいようなことあるのか?」
「すみませんあります心当たりめちゃめちゃあります。テストですよね、そうですよね!!」
「なんだ、分かってるじゃないか」

...くっ。私の扱い方を完全にマスターしてやがる。。

「お前なぁ、やればできるんだから、もうちょっと点数取れるようにしろ」
「でも先生、難しいんですよ。英語も数学も」
「そうだなぁ。難しいなぁ。けど、よく考えてごらん。あのテストの問題、基本似たような問題を解いてるんだぞ?」
「え、授業でやってないような問題がほとんどじゃないですか」
「はぁ...お前な、宿題をちゃんとやってないからいつもあんな点数なんだぞ」
「ゔっ...」
「宿題できてないって言いに来たの、今日で何回目だ?」
「...5回目です。」
「はぁ...お前やればできる子なんだから...」
「先生、その言葉2回目ですよ。」
「揚げ足を取るんじゃないよ。はぁ...」
「先生、ため息つき過ぎると幸せ逃げて行きますよ。だから独身なんじゃないんですか??」
「お前なぁ!!そんなこと言う暇あったらちゃんと宿題してこい!!いいな!?」
「はぁーい」
「あーもうだめだ。お前、もう中3になるんだぞ?もっとしっかり自覚を持て。それから...
お前、どうせ家にいたってやらないんだろ。週に1回でいいから、授業のない日に宿題やりに来い。わからないなら教えてあげるから。」
「え、週1で来るんですか」
「そうだ」
「わざわざ授業ない日に?」
「そうだ」
「そんなぁ...」
「文句言うな!ちゃんとやってこないからだろ!!!」
「...そっすね...」
「親御さんには既にこのこと言ってるから」
「えっ。親に言ってるんですか。私が宿題してこないの」
「当たり前だろ」
「ですよねぇ...」

 私がなにか喋る度に「はぁ...こいつは...」と呆れた表情をする。

「先生。笑ってくださいよ。」
「あ?なんだよ急に」
「いーから」
「はぁ...こうか...?」
 ニコッと、先生が笑みを見せる。
 当たり前だけど、作り笑い。
「そうじゃなくて...」
 私が見たいのは、あの頃の笑顔。私が問題に正解した時の、あの満足そうな微笑み。
「そうじゃないってなんだよ。やらせといて文句を言うんじゃないよ。さぁ、戻るぞ。帰るまで時間あるんだろ?とりあえず今日出した宿題進めとけ。」
 そう言って、出口へ向かう。私がその後をついて行く。
「先生」
「ん?」
「私がちゃんと宿題したら、笑ってくれますか?」
「どういうことだよ。なんか俺いつも笑わないみたいじゃないか」
「あー、言われてみればそうかも。じゃ、なんでもないです」
「どういうことだよ」
「その言葉2回目ですけど」
「揚げ足を取るんじゃない」
「はぁーい」

 そうだ、ちょっと頑張ってみよう。テストの点数が上がったら、あの頃の笑顔がまた見れるかもしれない。変な動機かもしれないけど、それでも何か目的があるから頑張れる気がする。それで、授業のない日は来なくてもいいって言わせてやるんだ。

シェア&お気に入りしよう!

この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!

れん。
れん。
まったり書いていこうかなと思います。 よければ読んでいただけると嬉しいです。
恋愛の作品もっと見る
公式作品もっと見る