出張の帰り、轟くんが私に言いたいことがあるそうで、、、
『迎えに行く。』
そう言われて解散した。
どこか行くのだろうか。
どこに連れて行ってくれるのかなぁ。
夜ご飯を食べ、轟くんを待つ。
インターホンがなったので、轟くんだと確認しドアを開ける。
炎薇:はーい。、、、で、どこか行くんでしょ?轟くん。どこに行くの?
焦凍:まぁ、、早く車乗れ。
炎薇:?分かったけど、、、
轟くんに促され、助手席に座る。
『どこに行くの?』
と聞いても
『楽しみにしておけ。』
と言われるだけで、全く教えてくれない。
あぁもう良いですよ待てば良いんでしょ?!
大人しくしてたらいつの間にか着いてたーとかになるもんね。
焦凍side
今から連れて行くとこは、まだ治野が目覚めていないときに見つけた場所。
山の中腹あたりで、そこから見る景色は綺麗なものだ。
夜に見にいったとき、すげぇ綺麗で今度治野と一緒に見に来てぇと思っていた場所。
治野も目覚めて、俺の気持ちを伝える場所にしようと思っていた場所だ。
、、、当たって砕けちまうなら、、、
って告白する勇気もなくなるときもあった。
でも。
言わなきゃ後で後悔するのは俺だから。
赤羽も、確か、、、浅野?も治野に好意を寄せている。
取られちまう前に、ちゃんと気持ちを伝えなきゃいけねぇんだ。
炎薇:うっそー!!超綺麗〜!!
焦凍:、、、そうか、良かった。
炎薇:どこに行くか分からなかったけど、、、ここに私を連れてきてくれてありがとーね!!
焦凍:、、、おぅ////
炎薇:、、、でもあれ??どうして私をここに、、、あ、後そういえば、なんか言いたいことあるって言ってたよね??なんだっけ、、
焦凍:っ、、おぅ、、、あいや、、その、、
炎薇:??もしかして、気のせいだった??
焦凍:気、気のせいじゃねぇ!!
炎薇:ビクッ
焦凍:あっ、、悪りぃ、、
炎薇:ううん、、別に。
焦凍:俺が、、伝えたいこと、、っつうのは、、
さっきから胸が痛い。
バクバクしてて、治野に聞こえてんじゃねぇか、、って思っちまう。
焦凍:俺が、、、俺は、、、
炎薇:?
焦凍:治野、、のことが、、好きだ。
炎薇:え?ごめん、よく聞こえなかった、、(え待って今なんて言った??『好き』?ん??)
焦凍:す、好きだ!!治野!!!
炎薇:、、、え?!
炎薇side
『好きだ!!治野!!!』
、、、うん、ちょっと待とうか?
なんで轟くんが私を好きなの?
轟くんは、顔だけじゃなく耳まで赤くして私に『好きだ』と伝える。
その気持ちは本物なんだろう。
本物、、、
私の顔はブアァッと熱くなる。
あぁ、顔が赤いんだろうなぁ。
今まで告白されてきて、顔が熱くなることなんてなかった。
なんで私は轟くんに告白されてそんな、、顔が熱くなっているんだろう。
待ってよ、それってさぁ、、
私が、轟くんのこと、、、
好きってことじゃん。
彼の方が身長は高いのに、どこか弱々しくて、、、
早く私が答えを伝えなきゃいけないんだ。
早く、、、
口を、、動かして。
炎薇:その、、『好き』って言うのは、、恋愛、、的な、、意味で??
焦凍:っ、、お、おぅ、、////
炎薇:!!、、、、、私も、、、
『好きだよ。』
そう言った瞬間、私の顔はさらに熱くなった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。