第69話

69話
5,573
2020/09/15 22:15
出張の帰り、轟くんが私に言いたいことがあるそうで、、、

『迎えに行く。』

そう言われて解散した。

どこか行くのだろうか。

どこに連れて行ってくれるのかなぁ。

夜ご飯を食べ、轟くんを待つ。

インターホンがなったので、轟くんだと確認しドアを開ける。
炎薇:はーい。、、、で、どこか行くんでしょ?轟くん。どこに行くの?

焦凍:まぁ、、早く車乗れ。

炎薇:?分かったけど、、、
轟くんに促され、助手席に座る。

『どこに行くの?』

と聞いても

『楽しみにしておけ。』

と言われるだけで、全く教えてくれない。

あぁもう良いですよ待てば良いんでしょ?!

大人しくしてたらいつの間にか着いてたーとかになるもんね。
焦凍side

今から連れて行くとこは、まだ治野が目覚めていないときに見つけた場所。

山の中腹あたりで、そこから見る景色は綺麗なものだ。

夜に見にいったとき、すげぇ綺麗で今度治野と一緒に見に来てぇと思っていた場所。

治野も目覚めて、俺の気持ちを伝える場所にしようと思っていた場所だ。

、、、当たって砕けちまうなら、、、

って告白する勇気もなくなるときもあった。

でも。

言わなきゃ後で後悔するのは俺だから。

赤羽も、確か、、、浅野?も治野に好意を寄せている。

取られちまう前に、ちゃんと気持ちを伝えなきゃいけねぇんだ。
炎薇:うっそー!!超綺麗〜!!

焦凍:、、、そうか、良かった。

炎薇:どこに行くか分からなかったけど、、、ここに私を連れてきてくれてありがとーね!!

焦凍:、、、おぅ////

炎薇:、、、でもあれ??どうして私をここに、、、あ、後そういえば、なんか言いたいことあるって言ってたよね??なんだっけ、、

焦凍:っ、、おぅ、、、あいや、、その、、

炎薇:??もしかして、気のせいだった??

焦凍:気、気のせいじゃねぇ!!

炎薇:ビクッ

焦凍:あっ、、悪りぃ、、

炎薇:ううん、、別に。

焦凍:俺が、、伝えたいこと、、っつうのは、、
さっきから胸が痛い。

バクバクしてて、治野に聞こえてんじゃねぇか、、って思っちまう。
焦凍:俺が、、、俺は、、、

炎薇:?

焦凍:治野、、のことが、、好きだ。

炎薇:え?ごめん、よく聞こえなかった、、(え待って今なんて言った??『好き』?ん??)

焦凍:す、好きだ!!治野!!!

炎薇:、、、え?!
炎薇side

『好きだ!!治野!!!』

、、、うん、ちょっと待とうか?

なんで轟くんが私を好きなの?

轟くんは、顔だけじゃなく耳まで赤くして私に『好きだ』と伝える。

その気持ちは本物なんだろう。

本物、、、

私の顔はブアァッと熱くなる。

あぁ、顔が赤いんだろうなぁ。

今まで告白されてきて、顔が熱くなることなんてなかった。

なんで私は轟くんに告白されてそんな、、顔が熱くなっているんだろう。

待ってよ、それってさぁ、、

私が、轟くんのこと、、、

好きってことじゃん。

彼の方が身長は高いのに、どこか弱々しくて、、、

早く私が答えを伝えなきゃいけないんだ。

早く、、、

口を、、動かして。
炎薇:その、、『好き』って言うのは、、恋愛、、的な、、意味で??

焦凍:っ、、お、おぅ、、////

炎薇:!!、、、、、私も、、、
『好きだよ。』

そう言った瞬間、私の顔はさらに熱くなった。

プリ小説オーディオドラマ