第5話

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2020/06/14 08:00



出会ってから3年後…



わたしが高校2年生、
龍太くんが19歳の頃のバレンタインの日。





文ちゃんたちに渡すチョコレートとは別に、

わたしは特別なチョコレートを作った。





龍太くんに想いを伝えるために。





でも、恥ずかしくて言葉に出来なさそうで、
龍太くんに渡す袋に、そっと手紙を忍ばせた。



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side R



室さんのバレンタインは、毎年恒例母ちゃんチョコと、文一くんの妹のあなたちゃんからなんですね。

みんな義理やからなー。

今年こそ誰か本命くれへんかなって、出会いないし無理やんなー。って一人で寂しくしてます。



『みんなー、持ってきたー』

「「待ってましたー!!」」



今年は何やろうなーとワクワク。



大「俺に本命チョコやろ?」

『残念、中田(大智)くんには義理チョコです!』

濵「俺はあなたの兄ちゃんやからなー」

『濵ちゃん(濵田崇裕)は馬と人参のクッキーやよー』

濵「誰が馬や!」



次々に渡されるバレンタイン。



『はい、龍太くん』

龍「ありがとう!」

(小声)
『あの…お家で食べてな?』



こっそり呟くあなたちゃん。
何でやろうと思いながら、貰ったプレゼントをカバンに入れた。



_



室家。



規「今年も2個やったなー…」

将「俺クラスの子たちから貰ったでー」

規「高校生はええよなー」



バレンタインの日は、兄・龍規と弟・将也と個数の報告。…そういえばあなたちゃんからの、まだ開けてへんな。



自分の部屋に戻って、カバンを開けて取り出す。



今年も可愛くラッピングされた包み…と、

例年と違うのは、手紙が入っていた。





✎︎____________


龍太くん


今年のバレンタイン、
わたしにとって、初めての本命チョコです。

本当は直接言いたかったけど、
恥ずかしかったので手紙にしました。



わたしは龍太くんのことが、好きです。



これから少しでも、女の子として、
意識してくれたら嬉しいです。


浜中あなた


✎︎____________





ほほほ、本命?!

あなたちゃんが?!俺の事?!

え?え?名前間違ってないよな?!

なんで?! え?!



規「龍太どないした?」

龍「な、何でもない!」



室さんパニックですヽ('ㅅ' ;ヽ三 ノ; 'ㅅ')ノ


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