出会ってから3年後…
わたしが高校2年生、
龍太くんが19歳の頃のバレンタインの日。
文ちゃんたちに渡すチョコレートとは別に、
わたしは特別なチョコレートを作った。
龍太くんに想いを伝えるために。
でも、恥ずかしくて言葉に出来なさそうで、
龍太くんに渡す袋に、そっと手紙を忍ばせた。
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side R
室さんのバレンタインは、毎年恒例母ちゃんチョコと、文一くんの妹のあなたちゃんからなんですね。
みんな義理やからなー。
今年こそ誰か本命くれへんかなって、出会いないし無理やんなー。って一人で寂しくしてます。
『みんなー、持ってきたー』
「「待ってましたー!!」」
今年は何やろうなーとワクワク。
大「俺に本命チョコやろ?」
『残念、中田(大智)くんには義理チョコです!』
濵「俺はあなたの兄ちゃんやからなー」
『濵ちゃん(濵田崇裕)は馬と人参のクッキーやよー』
濵「誰が馬や!」
次々に渡されるバレンタイン。
『はい、龍太くん』
龍「ありがとう!」
(小声)
『あの…お家で食べてな?』
こっそり呟くあなたちゃん。
何でやろうと思いながら、貰ったプレゼントをカバンに入れた。
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室家。
規「今年も2個やったなー…」
将「俺クラスの子たちから貰ったでー」
規「高校生はええよなー」
バレンタインの日は、兄・龍規と弟・将也と個数の報告。…そういえばあなたちゃんからの、まだ開けてへんな。
自分の部屋に戻って、カバンを開けて取り出す。
今年も可愛くラッピングされた包み…と、
例年と違うのは、手紙が入っていた。
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龍太くん
今年のバレンタイン、
わたしにとって、初めての本命チョコです。
本当は直接言いたかったけど、
恥ずかしかったので手紙にしました。
わたしは龍太くんのことが、好きです。
これから少しでも、女の子として、
意識してくれたら嬉しいです。
浜中あなた
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ほほほ、本命?!
あなたちゃんが?!俺の事?!
え?え?名前間違ってないよな?!
なんで?! え?!
規「龍太どないした?」
龍「な、何でもない!」
室さんパニックですヽ('ㅅ' ;ヽ三 ノ; 'ㅅ')ノ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!