最近、ちょっと違和感があるんです。
?「~~~~~~」
龍「だから俺は分からんて」
?「やっぱ、ヤンキーっすね」
龍「風雅、お前なぁ」
そう愛しの愛しの風雅ちゃん。
最近ぐっと背が伸びて、声変わりもして…。
『風ちゃんが大人になってまう、』
お姉ちゃんはとっても寂しいんです。
_
『風ちゃん、髪セットしよー?』
風「おん、」
思春期、反抗期真っ只中だけど、わたしが呼ぶと、大人しくメイク台にやってくる風雅。
龍「なぁ、俺はー?」
『まずその寝癖アイロンで直しといて?』
風「寝癖ついたまま来るとか、無いっすわ」
龍「お前なァァ?!」
『耳キンキンするで叫ばないで?!』
相変わらず龍太くんとは不仲。笑
ほんまは仲ええんよ?ビジネス不仲なだけ。
風「ほんまに謎」
『なにが?』
風「あなたちゃんの彼氏が室くんって」
『何を今更。笑』
髪をセットしながら、風雅はわたしと龍太くんを見ながら首を傾げる。
この子が入所した時にはもう既に付き合ってるし、一緒にいることが当たり前なハズなんだけど。
風「室くんうるさいやん」
『そうやね』
風「でも一緒に居るやん」
『居るね』
風「謎やわ」
だんだんと風雅の口が尖っていく。
ほんま何、この子可愛すぎやねんけど!!!
_
『あんな龍太くんやけどね、告白したんはわたしなんよ』
風「ほんまに?」
『ほんまに』
驚く風雅を微笑ましく思いながら、ヘアセットは仕上げへ。
風「恋愛って分からんね」
『風ちゃんもいつか、誰かを好きになって、この人を大事にしたいって思える日が来るよ』
風「大事かぁ…」
風雅の肩をポンと叩いて完成の合図。
龍「あー、なんで今日こんな直らんの?!」
別なメイク台では寝癖に苦戦する龍太くん。
風「あの人ほんまに大人なん?」
『疑うよねー、精神年齢幼すぎ』
風「ちょっとイジってくる」
そう言って、風雅は龍太くんの髪をぐしゃぐしゃにしに行きましたとさ。
龍「風雅、お前ほんまにやめやー!」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!