第103話

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2021/08/01 02:04
 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
お前はどこまで自分を孤独だと決めつける?







ピクっとイザナが反応した











 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
真一郎もエマも死んだ
あなただってお前から離れた
 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
お前も孤独だろうが!!!









ブンっ





イザナが万次郎の頭を蹴る。


しかし、万次郎はその足を手でガードした。











 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
違うよイザナ
 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
お前にはまだあなたとオレが居て、
俺にはオマエとあなたが居る










佐野家の事情に私は関係ない。

それなのに私を出してくるのは、






小さい頃から佐野家で育ってきたからか、

それとも……。














 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
イザナ、俺はお前を救いたいんだ










,
 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
___________ うるせぇ!!









ブンっと、またイザナが万次郎を蹴る。

しかしもう当たらないようで、万次郎はそれを容易く避けた。








「もうあたんねぇよ」と、

顔面を拳で殴ると、イザナを蹴飛ばす万次郎。





イザナは直ぐに立ち上がり、マイキーに殴り掛かるが、逆に万次郎に殴られてしまう











 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
なんでそんなになっちまった!?
なんで兄弟を愛せない!?
 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
お前さえ心を開けば、
エマも俺も快く受け入れた!!
 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
なんでだよイザナ!!!!








因縁の2人の戦いに、

周りはシンとしていて、誰も何も言わなかった






私もその1人で、ジッと2人がどう出るのか伺う











 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
うるせぇぇええ!!!!!









パンっとイザナが顔を叩かれる。










 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
真一郎、
 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
!?
 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
エマ、なんで…なんでそっちにいるんだよ








幻覚が見え始めてるのか…?









 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
お前の負けだ。イザナ










すると、イザナは稀咲から銃を奪い取り、

万次郎にその銃を向けた






「母さん」とこぼした言葉が見えて、

私は思わずハッとした










 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
死ねよマイキー
 佐 野 万 次 郎
佐 野 万 次 郎
撃てよイザナそれでオマエの気が済むんなら








周りが焦る中、私はひどく冷静で

空気が揺れないくらい、静かにイザナの前に立つと、スッと銃をイザナの手から取った










 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
あなたっ…!?







スっとそれをその場に投げ捨てると、

1呼吸してイザナを見る。









あなた
もう、辞めて。イザナ
……天竺の負けだよ…っ。











涙が滲むその顔をイザナに向けると、

イザナは少し驚いていた。





私は、イザナの前で泣いたりしなかったから。












 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
っ…!!お前まで、そっちに行くのかよ!!!
あなた
違う、違うッ!
でも私、もう見たくないの!!








私の声は聞こえないのか、

イザナは怒ったようにして「なんでお前まで」と



口ずさむ。








すると、鶴蝶がやってきて

私の前に立った











鶴 蝶
鶴 蝶
俺は、お前のためだけに生きてきた
どんなにお前の思想が歪んでようが構わねぇ
お前の為なら喜んで死んでやる
だからもう、そんな醜態を晒すな
鶴 蝶
鶴 蝶
俺もあなたも、
お前の情けねぇ姿見たくねぇんだよ!!









私の言いたいことを言ってくれた鶴蝶は、

息を切らしながらイザナを見る






私もイザナの事を、涙が滲む目でしっかり見た











 黒 川 イ ザ ナ
黒 川 イ ザ ナ
………退けよ下僕ぅ、
俺はまだまだやれんだよぉぉ
鶴 蝶
鶴 蝶
天竺の負けだイザナ!!!










「うるせぇ」と叫ぶイザナ。




感がした。



















ドンッ















花 垣 武 道
花 垣 武 道
あなたさん!!!!








鉛玉が私の胸を貫いた








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