第65話

🥀 64
15,094
2021/07/22 01:12











バァンッッ

















あなた
!?














ドッ、と地面に尻もちを着いた。

なにが…?なんの…?は、?なんだこれ,
















あなた
へ……ぇ、う、そ…












馬鹿みたいに間抜けな顔をしていると自覚する。

へたりこんだ足に生ぬるい何かが、液体が当たった。





























あなた
ゆ…、じ、ゆうじ…?…っ、
ゆう、ゆうじっ…!!!















手に持っていた物が床に落ちた。

は…?
















呪具…?
















呪力が籠った拳銃の形をしたものだった。

サーッと血の気が引く。







そうか、そうだ、さっきの「バン」は、轟くように耳に鳴り響いた「バン」は、この拳銃の音なのだ















あなた
ごめんなさい、…ごめ、ん …
っ、ごめんなさい ___________!!!











「ごめん」「ごめんなさい」を繰り返しながら、

真っ青な顔で、震える手で横たわる悠仁を起こした。













虎杖悠仁
虎杖悠仁
あなた…さ、ん
あなた
喋んなくていい、喋らなくいいから、
はやく、傷を、治して、塞いで…っ









見ればわかった。

宿儺は術式で固く封じられているし、封印の紙を手足身体に巻かれている。











あなた
こんなのっ…!!








バチィッ









破こうとすると手を弾かれた。

弾かれた手を呆然と見つめて、やがて奥歯を噛み締めて顔を歪めた。





























あなた
ごめん……悠仁 ___________ 。











私がやったんだ。

私が引き金を引いた。







どういう経緯でこうなったのか分からない。

でも、私が悠仁を打った。












虎杖悠仁
虎杖悠仁
じぃちゃん、死んで……1人なって、
どうしようって思ったら、必要としてくれる、
先生とか、あなたさん…とか居て____ 、やるべき事分かって、
虎杖悠仁
虎杖悠仁
楽しかった、こっち来てから











呪霊を殺す。

人を殺す。

いつも死が付きまとう。










それなのに、「楽しい」なんて言うの













虎杖悠仁
虎杖悠仁
幸せだった ___________ 。









小さくゆっくり首を振る。

涙が落ちていく。












虎杖悠仁
虎杖悠仁
俺、思うんだ。
五条先生……は、封印…されてる、けど、
殺してくれる人が___あなたさんで良かった
虎杖悠仁
虎杖悠仁
それだけは、本当なんだ











なんて返せばいいのか分からなかった。


なんで人は、死ぬ前にいつも「ありがとう」を残すのか









呪いをかけていくのか。















あなた
___________ どういたしまして 。










涙でグシャグシャな顔ではにかむと、


悠仁も笑ってくれた。




























虎杖悠仁
虎杖悠仁
今までありがとう、あなたさん







___________NEXT

プリ小説オーディオドラマ