マイキーside
一瞬だった。
ブチッと何かが切れるような音がして、
あなたの首からネックレスのチェーンが落ちたその間
そう言ってあなたが
地面を蹴ると、白い光と共に薙刀が現れ
うさ子の前には既にあなたがいた
,
あなたの声に瞑っていた目を開ける。
さっきまで持っていなかったはずの
盾のようなものが俺の手中にはあって
それがあなたの薙刀を遮っていた
薙刀を握る手がふるふると
震えているのが見える
何を言っているのか分からないが、
「佐野万次郎には使えない」の事実だけは理解出来た
でも、
指摘すると、
あなたは涙で濡れた顔を無理に笑わせた
切羽詰まったような顔で
もう自分でもどうしたらいいのか分からないような顔して
そんな顔で
ギリっと奥歯を噛み締める音が聞こえた
すると、あなたは酷く起こったらしく、
可愛らしかった顔が嘘のように怖くなる
ガッと薙刀で盾が弾かれ、
うさ子に当たりそうになった刃を止めようとすれば
盾は刀の形に変わって薙刀の刃を受け止めた
ガチガチとなる刃
あなたの薙刀も、形を変えて刀になる。
何となく分かった。
この武器は、事態に応じて形を変えることも出来るんだ。
周りからの声を聞いたあなたの力は
さらに強くなり、俺だけじゃ抑えられないくらいになってくる
あなたは、「ふぅ、っ、ふっ、」と息を吐きながら俺を睨むようにしてみる
くしゃり
あなたの顔が歪む。
そんな顔に油断していると、
器用に刀を弾かれて手から離れた
,
刀は再度振り落とされた
___________NEXT
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!