千冬side
マイキーくんがそう聞き返す。
「化け物」って、どういうことだ…?
あなたはニコッと笑って、
「 はしたないけどゴメンね」と言って
ベッ、と赤い舌を出した。
舌に書かれた刺青。
そういや、昔嫌がっていたと場地さんから聞いたことがある
そう言うと、後ろの襖がスパンと開いた。
開けと言われれば、
その通りに襖は開き、
たけみっちに立てと言えば
たけみっちは訳も分からずにたちあがった
パンパンと手を叩いてそういえば、
どこからともなく人がやってきて「 ご用意します 」と言ってきた。
反応早すぎる
ゾクッと背筋が凍った。
酷く冷たい目をしたあなたがそこにいたのだ。
無を貫く瞳が少し怖くなった。
俺の知っているあなたとは全然違う。
過去の、黒い過去を生きるあなただ。
,
,
確かに、とハッとする。
「恨んでいる」と言う割には、
女中たちや家の人を見る目は、どこか申し訳なさそうだったし。
ちょっと口悪くなったな
諦めたようにそう言うあなた。
ひとしきり話したあと、お茶を飲んだりお菓子を食べたりしていると、
マイキーくんが急に言葉を話した
,
薄く笑ったあなたは、
部屋から出ていった
___________ NEXT
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。