いつの間にか、毎週金曜日は私の家にお泊まりに来るりほちゃんの荷物が少しずつ増えていって、もはや半同棲みたいになっていた
そんな毎日の生活が幸せで、一日があっという間に過ぎていく_____
こんな風に授業が終わるたんび保健室にやって来ては、何気ない会話をしてくれるのが嬉しくなったのはいつからだったかな、授業が終わる時間にソワソワしながら楽しみに待ってる私をりほちゃんは知らないだろうな、って思ったら、なんだか気恥ずかしくなった
ソファーの上で小さく丸まってる背中を後ろから見ながら、その後ろ姿を抱きしめたい衝動にかられた
だけど"ここは学校"そう、もう一人の自分が本体を停止した
でも_____
ソファーに座っていた為脱いでたのを履き直して、踵が折れ曲がっていて"RIHO"と大きく書いてある上靴でパタパタと足音を出しながら近づいてきた
短いスカートで、しゃがむと中が見えそうになるので(あとで注意しなきゃ)なんて頭で考えながら、りほちゃんの柔らかいほっぺを両手で挟んで、自分のマスクを下げて、その後りほちゃんのマスクを素早く下げる
「ちゅっ」
と、音がするくらい優しいキスをする
誰が聞いてるか分からないのに、保健室でこんなやり取りするのも何十回目だろうか
幸せなやり取りだな、なんて考えながら、未だに顔が真っ赤な恋人を見てマスクの下で口角を上げる
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。