保健室で、他の人たちに聞こえないようにコソコソと喋る
これが出来るのも、あと___
「おはよー」
教室に入って男友達や女友達に挨拶をしながら、自分の机の上にドサッと部活のジャージとデコられた鞄たちを投げ出せば、思ったより音がでかく教室に響く
「なんでそんな荷物あんの?家出でもすんの?笑」
"色々"の中には、いつでもにこちゃんの家に泊まれるようにお泊まりグッズたちが入っていて、鞄の中の大半がそれを示している
「な、色々あるんだよな?りほ」
見かねた親友が肩を組んで助け舟を出してくれる
「ぷっ…笑」
顔を見合わせて親友と吹き出せば、友達たちはなんのことか分からずに首を傾げる
こんな風に親友や友達とバカみたく騒いだり、話すのもあと一年切ったのか…なんて考えたらちょっぴり切なくなった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!