ぺけたんside
[過去]
私はある家の長女として生まれた…父さんと母さんは私を愛してくれていた。でも祖父と祖母は女である私をいつも毛嫌いしていた。
どうして…私は祖父と祖母に愛されないのだろうと分からなかった…しかしそれ以上に辛いのは…
私のせいで父さんと母さんはいつも祖父と祖母に罵声を浴びせられていた…
私が生まれて来なければ…
私のせいで父さんと母さんは…
男の子だったら…私を愛してくれるのかな…
なんで女の子に生まれたんだろ…
そしてしばらくして私たち家族は祖父達と絶縁した…これで幸せになれると思ってた…その後も絶縁したはずの祖父たちは私たち家族の家に来ては今度は暴力を振るうようになった。
こんな事日常茶飯事だった…
そのせいで父さんと母さんは少しずつ心を壊していった…私はその時に思った…
その日から私は男装をするようになった。父さんと母さんはそれを見て悲しそうな顔をするけどその度に私は
そう言っていた。中学生の時にフイッシャーズメンバーと会った。しかし中学生になるにつれて変わっていく。
高くなる声に膨らむ胸…男装をするには限界だった
それにこんな事シルク達に知られるわけにはいかない…そう悩んでいた時精霊が尋ねてきた。
願いを叶えて貰える代わりに修道士としてファントムと戦う…だけど自分がファントムになるかもしれない…でもそれで願いが叶うなら
精霊がそう言うとなにかに胸を貫かれたような感覚がした。私の目の前には緑色の十字架の形をした宝石…
そして私は一時的に男の子の姿になることが出来ることがわかった。これならきっと幸せに…ファントムと戦うのは次第に慣れていた。学校でも違和感なく過ごせた。しかし祖父達と父さんたちの仲が埋まることは無かった。それでもいい前みたいに暴力を振るわれないから。
しかしそんな幸せもついに途切れてしまった。大学生になり過ごしていた頃突然父さんと母さんが死んだ…祖父達と一緒に…
あとから聞いた話だと祖父達を道連れに焼身自殺をしたらしい。私を守るために…どうやら祖父は私をどこかに売飛ばすみたいだった…それを知った父さん達は…
その後のことは覚えていない…陸斗が私のそばに居てくれて絶望に呑まれずに済んだけど…心は空っぽだった…そんな私は無我夢中にファントムを倒して行った…自分への恨みを込めるように!
そうまるで八つ当たりのように…
そして男の姿でいつも生活をしていた
そんな時だった…彼にあったのは…
「っと…もう倒されてたか…」
そして正体を明かした。
それから私は彼と過ごすようになった。次第に閉ざしていた心も開いていた。大学を卒業してぺけたんとしてフイッシャーズの活動する私を応援してくれていた。それからしばらくして私たちは付き合うこととなった。私は父さん達の分まで幸せになろうと心から思っていた。とても幸せだった…やっと幸せになれるんだと思っていた。
それから2年後
しかし、そんな幸せも突然途絶えたのだった…
プロポーズされてから2週間後悲劇は起きた。
仕事から家に帰る途中ファントムの気配を感じ結界に入るとそこにはカイトが倒れていたのだ。ファントムは私が向かっている途中にカイトが倒していた。
カイトのソウルクロスを見ると黒く濁っているだけでなくヒビが入って今にも割れそうだった。
その言葉を最後にカイトは眠りについた。
私はずっと泣いていた。カイトのソウルクロスは粉々に割れてしまっていた。
そこから先は覚えていない…話によればボロボロの状態でメリ姉のバーに来ていたようだ。
家族も婚約者も失った私にはどうだって良かった…私はなんのために修道士になったの?
しばらくフイッシャーズにも顔を合わせなかった。そんな時ふとシルクがうちに来た
シルク…みんな…本当に優しいな…
こんな私を仲間だと思ってくれるなんて…
でも私のこと知ってしまえばどうなるのだろう…
でも私はまだ完全に全てを失った訳じゃない…まだフィッシャーズのみんながいる。ごちゃごちゃ考えてないで私はみんなを守らなきゃ…もう何も失わせない!
こうして私はしばらく休止した後フィッシャーズのメンバー、そして修道士として戦うことを決意した。
[現在]
もしこの先私が戦いに寄って死んでしまったとしてもシルク達には幸せになって欲しいから
その後私たちは解散した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!