第5話

第4話
449
2022/08/14 23:44
ぺけたんside
[過去]
私はある家の長女として生まれた…父さんと母さんは私を愛してくれていた。でも祖父と祖母は女である私をいつも毛嫌いしていた。
祖父
ったく…なんで女なんか産まれたんだ…
祖母
あんたなんかいらないんだよ!
あきな (幼少期)
あきな (幼少期)
………
どうして…私は祖父と祖母に愛されないのだろうと分からなかった…しかしそれ以上に辛いのは…
父
もう辞めろよ!あきなは俺の大切な娘だ!
母
そうです!男とか女とか関係ありません!!
祖父
ふん!男が産めない役立たずが!
祖母
女なんてこの家にはいらないんだよ!
私のせいで父さんと母さんはいつも祖父と祖母に罵声を浴びせられていた…
あきな (幼少期)
あきな (幼少期)
うっ…ごめんなさい…
私が生まれて来なければ…
私のせいで父さんと母さんは…
男の子だったら…私を愛してくれるのかな…
なんで女の子に生まれたんだろ…

そしてしばらくして私たち家族は祖父達と絶縁した…これで幸せになれると思ってた…その後も絶縁したはずの祖父たちは私たち家族の家に来ては今度は暴力を振るうようになった。
祖父
お前なんか…お前なんか!!
あきな (幼少期)
あきな (幼少期)
やめ…て…おじいちゃん…
祖父
お前は俺の孫じゃねえ!!さっさといなくなれ!!
こんな事日常茶飯事だった…
そのせいで父さんと母さんは少しずつ心を壊していった…私はその時に思った…
あきな (幼少期)
あきな (幼少期)
そうだ…男の子になればいいんだ…
男の子なら私を愛してくれる…
その日から私は男装をするようになった。父さんと母さんはそれを見て悲しそうな顔をするけどその度に私は
あきな (幼少期)
あきな (幼少期)
大丈夫!これでおじいちゃんとおばあちゃんに殴られないよ!
そう言っていた。中学生の時にフイッシャーズメンバーと会った。しかし中学生になるにつれて変わっていく。
高くなる声に膨らむ胸…男装をするには限界だった
それにこんな事シルク達に知られるわけにはいかない…そう悩んでいた時精霊が尋ねてきた。
精霊
ねぇねぇ!君の願いは何?
あきな
あきな
願い?誰なの?
精霊
僕はただの精霊さ…僕と契約すれば願いを叶える…だけどその代償として修道士となりファントムと戦ってもらう…
あきな
あきな
ファントム?
精霊
正確には絶望に呑まれた修道士だけどね!
あきな
あきな
修道士になったら私もファントムになるの?
精霊
絶縁に呑まれたらだけどね
どうだい?
願いを叶えて貰える代わりに修道士としてファントムと戦う…だけど自分がファントムになるかもしれない…でもそれで願いが叶うなら
あきな
あきな
わかった…私の願いは…
私を男にして…
精霊
それでいいの?
あきな
あきな
うん…これが私の願い…本当に男になれなくてもいいただ私は男として生きたい
精霊
わかった…君の願いは叶えられた。
精霊がそう言うとなにかに胸を貫かれたような感覚がした。私の目の前には緑色の十字架の形をした宝石…
精霊
それはソウルクロス…君の魂はその宝石に入ってる…
そして私は一時的に男の子の姿になることが出来ることがわかった。これならきっと幸せに…ファントムと戦うのは次第に慣れていた。学校でも違和感なく過ごせた。しかし祖父達と父さんたちの仲が埋まることは無かった。それでもいい前みたいに暴力を振るわれないから。

しかしそんな幸せもついに途切れてしまった。大学生になり過ごしていた頃突然父さんと母さんが死んだ…祖父達と一緒に…
あきな
あきな
どうして?なんで?
あとから聞いた話だと祖父達を道連れに焼身自殺をしたらしい。私を守るために…どうやら祖父は私をどこかに売飛ばすみたいだった…それを知った父さん達は…
あきな
あきな
っああ…ああああああああぁぁぁ!!
その後のことは覚えていない…陸斗が私のそばに居てくれて絶望に呑まれずに済んだけど…心は空っぽだった…そんな私は無我夢中にファントムを倒して行った…自分への恨みを込めるように!
ファントム
ファントム
ヴヴヴ…
ぺけたん
ぺけたん
うるさい…消えろ!
そうまるで八つ当たりのように…
そして男の姿でいつも生活をしていた

そんな時だった…彼にあったのは…
「っと…もう倒されてたか…」
ぺけたん
ぺけたん
………
カイト
カイト
邪魔したな
ぺけたん
ぺけたん
あんたも修道士なの?
カイト
カイト
まぁな…俺はカイトお前は?
ぺけたん
ぺけたん
この姿ではぺけたん
本当の姿はあきな
そして正体を明かした。
カイト
カイト
そうか…
あきな
あきな
これが私なのなんにもない女
カイト
カイト
いい名前じゃん…あきなって
あきな
あきな
……
それから私は彼と過ごすようになった。次第に閉ざしていた心も開いていた。大学を卒業してぺけたんとしてフイッシャーズの活動する私を応援してくれていた。それからしばらくして私たちは付き合うこととなった。私は父さん達の分まで幸せになろうと心から思っていた。とても幸せだった…やっと幸せになれるんだと思っていた。
あきな
あきな
(父さん、母さん私今とても幸せよ…)
それから2年後
カイト
カイト
あきな…俺と結婚してくれないか?
これからは恋人としてじゃなく妻としてそばにいて欲しい…
あきな
あきな
………!
うん!こちらこそよろしく
カイト
カイト
ずっとそばいいるよ
あきな
あきな
シルク達に私の事報告しないとな…
カイト
カイト
そんときは俺も行くよ…
大丈夫、あきなのメンバーはわかってくれる
あきな
あきな
ふふ…ありがとう…
しかし、そんな幸せも突然途絶えたのだった…
プロポーズされてから2週間後悲劇は起きた。
仕事から家に帰る途中ファントムの気配を感じ結界に入るとそこにはカイトが倒れていたのだ。ファントムは私が向かっている途中にカイトが倒していた。
あきな
あきな
カイト…カイト!!
カイト
カイト
あき…な…
あきな
あきな
いや…なんで!?
カイト
カイト
ごめんな…
あきな
あきな
修道士ならこんなのどうって事無いでしょ!?
カイト
カイト
ごめんな…俺はもう…力が入らねぇんだ…
あきな
あきな
どうしてよ!なんで…
カイトのソウルクロスを見ると黒く濁っているだけでなくヒビが入って今にも割れそうだった。
カイト
カイト
あきな…せっかく…プロポーズしたのに…お前を1人にさせてしまうな…
あきな
あきな
いや…嫌よ!やっと幸せになれると思ったのに!!なんで…父さん達だけじゃなくカイトまで!
カイト
カイト
お前は…ひとりじゃねぇよ…メリッサや仲間たちがいる…お前のことわかってくれる人がいるから…幸せになってくれ…
あきな
あきな
嫌よカイトぉ…あなたがいなきゃ私…
カイト
カイト
大丈夫…お前…なら…きっと……幸せに…
俺…は…ずっと…お前…の事…見守…ってる…
あきな
あきな
カイト…
カイト
カイト
ご…めん…な…生き…ろ…
あきな……愛……して…………る……
その言葉を最後にカイトは眠りについた。
あきな
あきな
いや…いやぁぁぁ!!カイトぉぉ!!
私はずっと泣いていた。カイトのソウルクロスは粉々に割れてしまっていた。

そこから先は覚えていない…話によればボロボロの状態でメリ姉のバーに来ていたようだ。

家族も婚約者も失った私にはどうだって良かった…私はなんのために修道士になったの?
しばらくフイッシャーズにも顔を合わせなかった。そんな時ふとシルクがうちに来た
シルク
シルク
よ、元気…ではなさそうだな…
ぺけたん
ぺけたん
ごめん…休んでばっかで…
シルク
シルク
……無理にとは言わねえよ…話せる時に話してくれないか?お前のこと心配でさ…
ぺけたん
ぺけたん
………
シルク
シルク
俺たちはずっとお前の味方だ…いつでも頼ってくれ…そしてまた動画撮ろうぜ
ぺけたん
ぺけたん
うん…でもしばらくは動画に出られそうにないかも
シルク
シルク
いいよ…しばらく動画は休んどけ…
ぺけたん
ぺけたん
ごめんね…ありがとう
シルク
シルク
いいってことよ…
お前はひとりじゃねぇよ…いつだって俺達がいる…
シルク…みんな…本当に優しいな…
こんな私を仲間だと思ってくれるなんて…
でも私のこと知ってしまえばどうなるのだろう…



でも私はまだ完全に全てを失った訳じゃない…まだフィッシャーズのみんながいる。ごちゃごちゃ考えてないで私はみんなを守らなきゃ…もう何も失わせない!
あきな
あきな
絶対に守ってみせる…何も失わせない!
こうして私はしばらく休止した後フィッシャーズのメンバー、そして修道士として戦うことを決意した。
















[現在]
ぺけたん
ぺけたん
これが俺が修道士になった理由…そして過去だよ
りょう
りょう
こんな悲惨な人生を歩んでいたなんて…
虫眼鏡
虫眼鏡
辛かったよね…
メリッサ
メリッサ
そうね…あの頃のあきなちゃんは絶望していた日々よ…それにファントムに八つ当たりをするように毎回能力を暴走させてたから心配だったわ
ゆめまる
ゆめまる
俺、今まで何不自由なく暮らしてきたけどこんな人生歩んで生きてきたなんて考えられないよ…
りょう
りょう
シルク達は…
ぺけたん
ぺけたん
知らない…知ってしまえば戦いに巻き込むことになっちゃう
虫眼鏡
虫眼鏡
でも放っておけないよ…
ぺけたん
ぺけたん
いいの…それにもし私に何かあればその時はシルク達の支えになって欲しい…
メリッサ
メリッサ
あきなちゃん…
もしこの先私が戦いに寄って死んでしまったとしてもシルク達には幸せになって欲しいから
ぺけたん
ぺけたん
もちろん簡単に死ぬわけにはいかない。
命をかけてみんなを守るの
虫眼鏡
虫眼鏡
……
その後私たちは解散した。
星月
星月
今回はここまでです!
このシーンはだいぶ鬱な展開だと思います!苦手な方すみません!それでは次回までバイバイ👋

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