[てつや視点]
虫眼鏡「てつやはサプライズとかせんの?」
この一言で俺に火がついた。
喜びそうなプレゼントを調べ上げた、
華奢なアクセサリーをいつもつけてる、
白い肌と黒い髪の毛によく似合う
アクセサリーにした、
それと、仕事の時に使えるペンも。
休みをレイちゃんに確認してホテルを予約し、
カッコイイスーツを新調した。
食べ物の好みならわかってる。
変に洒落たコースよりもお肉が出てくるコースが
好きなはず。
甘いものは苦手だから事前にデザートを
甘さ控えめなものに変更してもらった。
…俺、だいぶあなたのこと知れたんだ。
考えている時にそう思った。
それが嬉しくて、サプライズってものが
楽しいと思った。
いつも通りの変わらない生活、
それも楽しい。
何もしなくても隣で笑ってくれる
そんなあなたも好きで、
きっと、あなたも同じ気持ちなんだろうけど、
それでももっと好きになって欲しかった。
こんなに好きでいてくれてもまだ足りなくて、
俺じゃなきゃダメだって思って欲しい。
てつや「俺ってワガママなのかなぁ。」
あなた「なんで?編集終わってないのに遊びに来るから?」
てつや「…んー。」
あなた「んー?」
てつや「もっと好きになって。」
あなた「ワガママでも好きだよ。」
そう言ってくれるあなたは嬉しそうで、
それでも足りなくて、
このもどかしいような気持ちを伝えるいい機会
なのかも知れない。
成功、するといいな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。