[あなた視点]
私は今、怒られている。
そう、会社でだ。
代表でありデザイナーであるにもかかわらず、
恋人ができたことによってデザインがぶれぶれなのだ。
ぶれぶれ、いやむしろ統一感すらある。
気が付かなかったんだ……。
私のデザインがオレンジすぎることに……。
何の反論もできない。
だって、オレンジなんだもの。
服のデザインそのままで色を変えることもできるけど、それはやっぱり違う。
一応こだわりを持って使っているので1つ1つはとても素晴らしいと思う。
ただ、私がデザインするのは確定で3着。
そしてとあるデザイナーさんとコラボ案で3着。
私だけではないけどデザイン部での案を1人5着の案。
全てがオレンジだった。
レイがそれを見て激怒した。
私は今まで着たい服、いつか彼が出来たら着て欲しい服をデザインしていた。
それが今となっては1人に恋をしてしまったのでこのザマだ。
レイに言われた。
レイ「彼が似合うのは本当にオレンジだけ?貴安の彼が好きなのはオレンジの貴女なの?」
ハッとした、そうか、イメージカラーだからと言っててつやさんに似合う服はオレンジだけじゃないし、私には私が着たいデザインがある。
レイ「…岡崎行っちゃうんでしょ。これ片付いたら行くんだから。しっかりしてよ。」
少し寂しそうにする。週一で会議とか打ち合わせで東京くるのに。
分かってても物理的な遠さはずっと親友のレイには辛いのだろう、ういやつ。
あなた「東京には週に一回は必ず来るよ!」
レイ「あなたの家の子には会えない…。」
そこかよ。レイも猫アレルギーだけど不思議なことに仕事の件で仕方なく通ううちになぜかうちの猫だけ平気になってた。元々猫好きのレイは嬉しかったそうで暇さえあればすぐに来ていた。
(※猫アレルギーなのに猫飼ってる作者の体験談なので信用しないでね。)
日をあければまたアレルギーで会いづらくなるかもとため息をついていた。
そこかよ。
じゃあどうせ車だから連れてくるよ。うちの子車好きだし。こっちにも安いお家借りるつもりだし。と言うと途端に元気になり一緒に案を練りはじめた。
そこかよ。
帰り道、2人で帰っていると少し恥ずかしそうに、あなただけじゃなくて猫ちゃんまで取られちゃうかと思った。と言うレイが可愛くて仕方なかった。
私は少しだけ、寂しい気持ちになった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。