第61話

ギター
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2019/12/15 17:26
[てつや視点]

あなたはギターをしている。

学生の頃から空いてる時間に少しずつ練習していたらしい。

月に何度かだけどYouTubeに投稿もしてた。

広告はつけてないから収益はないって言ってたけど、正直増えていく登録者数を見るにつけてもいいんじゃないかと思う。

そんななんでもできるあなたは自慢の彼女なんだけど、1つだけこの趣味で嫌だなって思うことがある。



としみつととても仲がいい事だ。
仲が良いだけなら良いんだけど、

俺が編集をサボるととしみつに連絡するし、
としみつも俺の写真をあなたに送ったりする。

なんかなぁ。

俺関係で話しているうちは良かったんだけど、
最近としみつのサブチャンでコラボしようって話してるみたいで、なんとなくさみしい。

サブチャンだけど最高の仕上がりにしたいなって話しててあなたの友達でカメラマンをしてる子に撮影頼んで、会社が休みの日曜日にあなたの会社のスタジオを使ってやろうかと話してる。

あなたはデザイナーだから服もデザインできるし、洋裁もできるから作ろうって。


トーク画面見ても怒らないし浮気ではないのは確実だけどやっぱりなんとなくヤキモチを妬いてしまう。

俺だってちょっとはギターできるのになぁ。


でもあなたが楽しそうに笑ってるから何も言えない。


明日には岡崎のあなたの家で打ち合わせするらしい。

もちろん俺もいるわけだけど。





なんとなくもやもやして、あなたに甘えてみた。


仕事をしつつLINEでとしみつと曲作りの話をしている。



てつや「……むかつく。」



目を丸くしてあなたが俺をみた。

口に出てた。


てつや「いや違う!間違った!」

あなた「どうやって間違うの…。何が?ずっとお仕事してるとこ?」

首を傾げながら聞いてくる。

本当可愛い。


てつや「…としみつとばっかり話すとこ。」

あなた「…やりたいことがあるの。どうしても。」


あなたは少しだけ申し訳なさそうな切なそうな悲しそうな嬉しそうなよくわからない表情でニコッとした。


てつや「俺に言えんこと?」

あなた「…まだ言えないこと。あとてつやさん、衣装と歌詞は秘密にしたいから、〇日としみつくんより15分くらい遅れてきて欲しい。」

頭の中で何かが爆発したような感じがした。

てつや「そっか、もう寝るね。」


だからと言って怒って帰るような事は出来ない。


ごめんね、っていってすぐに俺の隣に来ると思ってたから。



30分後、やっぱりごめんねって言ってベッドの端の方に座って俺の足をツンツンした。

本当は嫌だけど許すしかなくて、


てつや「腕枕で許す。」

って言った。

俺がするつもりだったのになぜかあなたの腕枕で眠った。

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