第52話

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2019/11/11 15:18
[てつや視点]

あなたちゃんの家には猫が2匹いる。

最初は目が痒くて触れなかったのに気付けば触れるようになっていた。

人間の体は不思議だ。





毛の長い綿あめみたいな白猫とシュッとした黒猫。

綿あめはとてもよく懐くけど黒猫はツンとした猫だ。

綿あめが俺の足元でゴロゴロと喉を鳴らしながらコロコロと転がった。

可愛くてついお腹を撫でてしまう。

そうすると黒猫は俺をじっと見る。

あなたちゃんはすかさず黒猫を抱っこする。

そうすると黒猫は「フフン」とでも言いたげな表情でこちらを見る。

いつも夜になると2匹は決まって揃って同じところでくっついて眠るらしい。夏だろうと冬だろうと。


てつや「黒猫、俺のこと嫌いなのかな。」

あなた「え?好きだと思うけど。」

てつや「バカ睨まれるんだけど!」

あなた「見つめてるんだよ。笑」


そう言われた次の日の朝、また綿あめがコロコロと転がったのでお腹を撫でた。

やっぱり黒猫はこちらをじっと見る。

勇気を出して黒猫の喉のあたりを触った。

とろんとした顔で目をつむって小さくゴロゴロと喉を鳴らした。

それを聞くと綿あめもやってきて足元でスリスリとゴロゴロを繰り返す。

可愛いの渋滞だ。

あなたちゃんがお化粧を終えてリビングに入ってきた。

あなた「あ、猫ちゃんたちずるい。笑」

そういってあなたちゃんは後ろから俺に抱きついた。



幸せすぎるこの状況。ここに俺とあなたちゃんの子供がいようものなら…。なんて考えてしまう。


あなたちゃんそっくりの小さな女の子が

「おおきくなったらパパと結婚する!」

なんていうのを想像するとニヤける。




あなた「何考えてたの?」

丸い目をもっと丸くして聞いてくる。

本当猫みたい。


てつや「今も幸せだけどこれからはきっともっと幸せなんだろうなーって。」










そういうと照れくさそうにあなたちゃんが笑った。

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