第14話

1ヶ月④
1,348
2019/09/30 18:18
[あなた視点]

としみつさんのアドバイスを受け、

お菓子を作ることになった。

実は私はお菓子作りが苦手だ。
ついでに言うと人に何かを渡すのも苦手。

普通の料理と違って少し分量変わっただけで
爆発したりぬるぬるしたり生だったりするから
本当苦手。

だいたい男の人にお菓子あげたことない。
パパと弟たちくらい。

【お菓子 簡単 美味しい】で検索。


クッキーを焼くことにした。

キッチンを粉だらけにしつつも頑張って作った。

見た目は最高。味は…。うーん、不味くはない。

特別美味しくもないけど。


次の日


なんか、渡すの緊張してきた。
だいたい私のお菓子で元気なんて出るのかな。
としみつさんにからかわれたのかな。

メイク室から出てくるてつやさんを発見。

メイクをしててもわかるくらいにやつれている
というか、なんかぼーっとしてるというか。

その姿を見ると思ったよりも大きな声で呼び止めてしまった。


私
あ、ちょ、あの、ちょっとだけこっちにきてくれませんか。
てつや
てつや
え、え、なに、なに、なんか変だったかな。
私
えっと、なんか元気なさそうだから、大丈夫かなって。
てつや
てつや
すいません、なんか眠れなくて、でも今元気出たので撮影頑張れます!
私
あの…、実はとしみつさんから元気ないって聞いていて元気出るかなってこれ。
オレンジの人の目がキラキラした。
ぱあって顔が明るくなってクッキーを
掲げて回り出した。

なんか、少し前に亡くなってしまった
愛犬を思い出した。

素直な子で明るい毛色でお菓子をあげると
くわえて走り回ってたなぁ。なんて思って
いたらその場で食べ出した。
てつや
てつや
おいしい!本当に!今まで食べたクッキー、いや…食べ物の中で1番おいしい!すき家の牛丼超えた!
私
すき家の牛丼に…勝てたんですね…。
こらえていたがおもわず吹き出してしまった。
すき家の牛丼に勝てて嬉しかった。

そしてまたキラキラとしたまで私を見て、
てつや
てつや
これ…、俺だけ?他のメンバーにも配るの?
私
あ、1つしか持ってきてないです!
皆さん元気そうですし、
そうするとオレンジの人はまた嬉しそうに手を広げて撮影頑張ります!とだけ言って去っていった。

よく分からないけれど胸がドキドキした。

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