神妙な面持ちで、何を言い出すかと思えばそれは有り得る筈のない絵空事で。
だが、そんな空理空論が在り得てしまうのがこの世界__Alternate-Universeである。
所詮は全て創作物。そんな世界に不可能は存在しない。
何処かの仏蘭西帝王の言葉が聞こえてきたが閑話休題。幾ら何でもアリな世界観だと言っても、三次元の動物はどう考えてもミスマッチだし、この世界共通認識、存在が異端であるニンゲンがそう易々と世界を渡り、有ろう事か影響迄及ぼしているのだ。疑わない筈が無い。
抑、ネコがニンゲンに化けるだ何て、一部界隈にしか刺さらないで在ろうに。
まあ、逆なのだけれど。
「続keee口」
ErrorがSansに続きを促す。此方が独り言ちっている間に、向こうでも進展があったようだ。
「ニンゲンに成ったその黒猫は迷い無くオレに近付いた後に言ったんだ。
『キミは溜過ぎなのだよ。放置してガスの如く爆発されても困る。』
ってね」
おちゃらけた語尾だが声の上擦りを隠せはしない。
こればかりは仕方の無い事だ。何せネコは聴覚能力に長けているのだから。イヌの可聴域が65~5万Hzに対して、ネコは25~7万8千Hz。 当然、隠し切れる訳が無い
「然してニンゲンはオレに怪訝しなcommandを使った。
FIGHTでも ACTでも ITEMでも MERCYでも無い、黑光のcommand____CLEARだった。」
却説、此処迄喋られてしまっては嬉しい誤算。
__尤も、私が誤算等しないのだけれど。
「Original…真逆其の黑猫の名前って___
『───流石 もう看破なされたか
矢張り星の数有る平行世界の守護者は頗る優秀だね』
皮肉も交え、感動の再会__とは往かなさそうだ。
是だから頭伽藍堂は、と内心咲う。
「ンだyoo お前等a知リ合ii力?」
破壊者Errorの問いに、守護者Inkは痛そうに頭を振る。
『私も相対するのは初めてだけれどね。』
此れが邂逅だなんて厭だろうなぁ、と他人事の様(実際そうである)に考える私を他所に守護者サマが布陣する。
「状況次第で、僕はキミを殺さなければならない。判ったら従順に話をするんだ」
此方へ向けられた大筆に、取ってつけたように息衝く。
そして煽動的に、ちらりと発達した犬歯を覗かせ云フ。
『知ってるかい?猫は決して服従しないのだよ』
瞬間、猛攻が私を襲う。そんな中、私はストリッパーの様に弾幕を避け、隙を視て猫へと変化し変幻する。
「やられたよ、あなたちゃんを捕り逃した」
悔しそうに、然し其の目は興醒め。まるで飼い主を失った従順犬。
「お前さん、彼奴__あなたと何かあったのか?」
飽く迄も白け切る彼を見、Sansは断念したようだ。
「ハァ……」
気怠げに額の汗を拭えば、朧げな“彼の時”の記憶が蘇る。
『ゆっくりお休み。
良い夢を』
彼奴が何者なのか、如何してオレに近付いたのか、如何してお前はそんなにも明媚なのか。
どくり、ソウルが動悸する
あれ、オレ
何時の間にか蒸気した頬の熱を隠す様に、ミトンの手で顔を覆う。
コイ、してる───
『ふしゅ、っ』











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!