___エイジside___
俺たちはあの後、すぐにあなたが運ばれた病院に向かった。
りっくんが運転してくれる車の車内は驚くほど静かで。
多分それは乗っている全員があなたのことを考えていたからだと思う
もちろん俺も。
俺は後悔しかしていない
俺のせいであなたは襲われたんだ
守るとか言っといて最低なやつだ
ごめんあなた__
最初にこの沈黙を破ったのはりっくんだった
俺たちは飛び降りるように車を降り、ダッシュであなたのところまで走っていった
急いで三階へ向かう
エレベーターを待っている時間も惜しくて階段で上がる
手術室前まで行くと、看護師さんが近づいてきた
頭が真っ白になった
なにも考えられない
けどこれだけははっきり分かる
こうなってしまったのは俺のせい
ごめん……
本当にごめんな……あなた……
みんなが涙を流す
.
俺は我慢していた涙が溢れた
俺らが泣いてたってなにも始まらない。
俺らはあなたを信じて待つしかない
……あなた..頑張れ!!
そして無事に出てきてくれ…!!!
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!