本番まで後2分。
あなたさんの姿はまだ見えなかった。
その頃あなたは…
___ジョキ______
そう言い残して陸の元へと急いだ。
遠くからする声に体を向けると
髪の毛が短くなっているあなたさんの姿があった。
思った通りステージへ出ると観客がザワザワとした。
急にヘアスタイルが変わってるんだもん。
にしても、素敵だな…。
ダンスをしてる中で小さな声で会話をした。
お互いに柔らかい笑顔を交わしていると
実況していた理事長達が急に黙った。
裏ではザワザワしている様子だった。
変な違和感を感じてあなたさんに目をやると
膝を痛めている様子だった。
俺は足を止めあなたさんの体を持ち上げた。
舞台袖では担架が用意されていた。
流石金持ち学校ちゃんとした医者がそこにはいた。
心配でどうしょうもなかったけれど
俺は俺で今やるべきことがある。
ここで抜け出したらあなたさんが悲しむ…。
結果をおとなしく聞いた。
やっぱり、思った通りランキングには入ることが出来なかった。
まさかの、チーム奏3人のランクインという…。
俺はあなたさんにどんな顔で会えばいいのか…。
でも、会いたくて会いたくてたまらなかった。
そんな時だった、理事長が再びマイクに向かった。
謎の陸コールが会場が1つになる程叫ばれた。
全速力で車の場所まで走って走って走りまくった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。