第47話

天堂光輝ルート END
2,410
2019/08/12 14:57
コンテスト当日。

俺の番が迫って来て、楽屋は何だか緊張感に包まれていた。

あなたさんは綺麗なドレス姿で…。
光輝
あなたさん、綺麗っす。
あなた

え、え?そう?ありがとう…

光輝
…っす
あなた

でも、ヒールとか慣れてないから、なんだかねぇ

光輝
大丈夫っすよ、俺がエスコートするんで
あなた

う、うん

ホールの真ん中に立ち荒い呼吸を整えながら

いつものように音楽に合わせて踊り出した。
あなた

光輝…

光輝
な、なんすか!?
あなた

緊張してるでしょ

間近でずる賢い顔をするあなたさん

また、違う一面を見れた気がして胸が高鳴った。
光輝
あなたさんこそ
あなた

私は緊張してないよ?

光輝
意外っすね
あなた

私は相手が光輝だから安心してるよ

光輝
…っ
俺の緊張をほぐすために話しかけてくれた。

最初はそう思ってたけど、

逆に緊張するような事を平気で言ってくる。



ずるい人だ。

でも、俺はそんなあなたさんが…。



音楽が止まり、楽屋へ戻ると

皆んなのパートナーをしてるあなたさんは

疲れてるはずなのに俺に対して

とびきりの笑顔で話しをしてくれた。
あなた

最高だったよ!今までで1番だったんじゃない?!

光輝
はい、マジで最高でした!
誠一郎
おい、早く準備しろ
あなた

あ、はい!じゃあね光輝!

光輝
は、はい!
誠一郎
水分取ったか
あなた

あー、忘れてた…けど大丈夫です!

誠一郎
はあ?大丈夫な訳ないだろ
2人がホールの袖で話してる姿を見つめていると…
海司
なあ、あの2人ほんと仲良いよなあ
光輝
はあ?あれは…
喧嘩するほど仲が良いってやつ?
海司
光輝ー先越されんぞ
光輝
や、俺は…
まあまあ、光輝にも光輝なりに頑張ってららしいし
海司
俺も人の応援してる場合じゃねぇしな
光輝
はあ…


最後のダンスを終えたあなたさんがホールから戻って来た。
誠一郎
おい、大丈夫か
あなた

大丈夫大丈夫、私元気なんで!

誠一郎
はぁ、そんな顔で
光輝
あ、あの、おれが保健室連れて行きます
誠一郎
いや、いい、俺が行こう。
あなた

いやいや、2人とも結果発表だよ?私は何ともないから

光輝
黙って。
あなた

…え、

光輝
いいから
あなた

は、はい。

また俺は、人差し指を静かに唇に付けた。
光輝
よいしょ
あなた

え、えええ?

光輝
いいから、それとも久遠さんの方がいい?
あなた

い、いや、

光輝
俺で良かった?
あなた

光輝が…良い。

光輝
っつ、あれあなたさん照れてる?笑
あなた

こ、光輝

光輝
あー、ほら、つきましたよ
あなた

話そらすし…

光輝
はい、ゆっくり寝てください
あなた

うん、ありがとう

光輝
あなたさん、誰とのダンスが1番でした?
あなた

誰って言われても…

光輝
そ、そうっすよね、誰が誰だか覚えてないっすよね…
あなた

光輝的には手応えあった?

光輝
俺は俺の1番の力を出せたと思ってます
あなた

そっか、だったら良かった

光輝
…はい、じゃあ、俺結果聞いてきますね
あなた

うん、

光輝
はい、じゃあ
あなた

あ、光輝!

光輝
はい?
あなた

えっと、…優勝だといいね

光輝
は、はい、すぐにまた来ますね
あなた

うん!

あなたさんの潤んだ瞳が頭から離れなくて

どうにかなっちゃいそうだった。

いや、もう、どうにかなってるのか?

誠一郎
おい
光輝
あ、あなたさんなら
誠一郎
いや、あいつの事じゃなくて
光輝
え?
誠一郎
お前結果聞いてないだろ
光輝
あー、結果聞きに来たんすけど、もう終わってたんで
誠一郎
お前良かったな
光輝
え?
そう言い残し久遠さんは肩を叩いて去って行った。
すると、海司と陸が後ろから

ものすごいスピードで走って来た。
光輝ーーーーー
海司
光輝!光輝!お前、優勝だぞ!
光輝
え、えええ!?うそ、マジかよ!
海司
マジだよ!やったな!
光輝
お!おう!ちょ!俺あなたさんの所行ってくるわ!
え、おい!
海司
めちゃくちゃ嬉しそうな顔しやがって
ほんとだよな、あーあ
俺は全速力であなたさんの元へ走った。
光輝
あなたさん!
あなた

っわあ!?

光輝
あ、あえっと…
扉の前に居たあなたさんを突き倒してしまった。
光輝
ちゃんと寝てなきゃだめじゃないですか
あなた

だ、だって、結果が気になってソワソワしたっていうか

光輝
ふふふ、
あなた

わ、笑わないでよ

光輝
ははは、ごめんなさい
あなた

で、どうだった?

光輝
優勝は無理でした
あなた

そっか

光輝
うそですよ、そんな無防備な顔しないでくださいよ
あなた

はあ?何、年上をからかうな!

光輝
いてっ
あなた

まったく、はやく避けてよね

光輝
いやです。
あなた

は?

光輝
俺、優勝したんで
あなた

え、それは本当に?

光輝
はい、もちろん!
あなた

本当に!?良かった!!!!!

光輝
ちょ、ちょっとあなたさん
あなた

あ、あーごめんつい勢い余って

あなたさんが飛びついて来た。
光輝
いいっすよ
あなた

へ?

光輝
あーあ、ほんと調子狂う。
あなた

はい?

光輝
あなたさん、俺あなたさんの事が大好きっす
あなた

い、いや起きてから話そうよ一旦さ

光輝
嫌っす、今言いたいんす
あなた

え、えっと…

光輝
俺、あなたの事大切に想ってます。今までもこれからも!
光輝
その、だから…だから、付き合ってください!
あなた

…待ってたよ、もちろん付き合ってください。

光輝
あなたさん!
あなた

おおお。

光輝
あなたさーん!
あなた

もう、

ぎゅっと力を込めて

どこにも逃げないようにハグをした。
光輝
ねぇ、キスしていい?
あなた

え、え?

光輝
しー

静かになったあなたさんの瞳を覗き込み、

唇に、そっと触れた。
光輝
あなた…ふふふ、大好き。







END

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