第24話

team奏・朱雀奏
2,677
2019/05/09 09:26
さっそく、僕の番ですね
あなた

あー、えっと私の時間割に相手の名前書いてなくて…今日朱雀さんだったんですね!

はい
あなた

私、下手くそで

大丈夫です、僕がリードします
あなた

…でも

大丈夫です、これからたくさん練習を重ねたら絶対に成功します
あなた

そうだと良いんですけど…

誠一郎
お前には無理だろうな
通りすがりに急に誠一郎があなたさんに毒を吐いて行った。

元と誠一郎が去って行く後ろ姿をあなたさんは

ムッとした表情で見つめていた。
あなた

…私にだって…

頑張りましょう!
あなた

はい!

スタスタとホールへ向かった。
あなたさんは音楽をかけると顔が一気に強張った。
大丈夫ですよ、僕に任せてください
あなた

は、はい…

近距離であなたさんの綺麗な顔をチラリと見ていると

胸が突然熱くなり今まで感じたことの無い速さで

心臓がドクドクと高鳴った。
す、すみません…少し休憩でもしませんか?
あなた

え、あ、はい、朱雀さん顔が少し赤いですけど大丈夫ですか?

何故だかわからないけど、反射的に

近づいてくるあなたさんの手を避けてしまった。
っあ、えっと…
あなた

すみません…足を引っ張ってしまって…体調が良くなってから後日改めて練習お願いします、私それまでに足を引っ張らないように頑張るので

…いえ、僕の力不足です
あなた

そ、そんなうつむかないでください…

そうですね、次までに僕が完璧にリードしてみせます
あなた

えっと…、お互い頑張りましょう!

どうしてしまったのか自分でもわからないまま

1人、ぼーっとしながらホールに残った。
誠一郎
ガラっと扉が開く音と共に来たのは誠一郎だった。
あ、誠一郎…
誠一郎
どうした、その、この世の終わりみたいな顔は
え?
誠一郎
体調が良くないのか、すぐに救急車を呼ぼう
違う!
誠一郎
え?
何かわからないんだ自分でも
誠一郎
何を言ってる?
今凄く幸せで、なのに心臓が苦しくて…
誠一郎
はぁ…なんだそう言うことか
え?
誠一郎
そんなに成瀬が好きか…
いや、どうしてそうなるの?
誠一郎
それは、俗に言う恋というやつだ。
…そうだったのか…
誠一郎
上手くやれそうか?
今日ほ僕が完璧にリードすることができなくてね
誠一郎
…そうか、まぁ今回はライバルだ互いに頑張ろう
うん…
この時は思わなかった。

こんなにも恋が辛いことなんて。

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