第4話

私の家の日常。
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2019/10/21 13:16
私の家は、毎日のように喧嘩。私と、じゃなくて。お父さんとお母さん。毎日、どうでもいいようなことで喧嘩してる。くだらないでしょ?でもね、それが当たり前なの。物心着いた時には、喧嘩してた。よく離婚しないな、って思う。離婚されたら、私が悲しいけどね。
お母さん、一回目の前でお父さんに殴られた。その時は、流石に私腹が立った。
喧嘩のせいで、お母さんは髪が抜けるんだって。ストレスだって言ってた。だから、お母さんが私に辛く当たるのも仕方ない。だって、それだけお母さん我慢してるから。
呉羽
呉羽
だから、私が必要。私がいたら、お母さん少しは楽になる。
それに確証はなかったから、そうあればいいな、という私の願望だった。お父さんが帰ってきたら、お母さんはまるで機械みたい。でも、私は知ってた。お母さん、凄く苦しんでる。だからたまに、お母さんが壊れる。だけど、怒ってる時のお父さんにはそんなの関係なくて。
お母さん。
呉羽、水筒は?
呉羽
呉羽
ごめん、今持っていく。
水筒を持ってお母さんに近づくと、少し悲しそうな顔をしてた。
呉羽
呉羽
(どうしたんだろう?)
お母さん。
外に遊びに行ったり、しないの?
多分、お母さんは心配して言ってくれたんだ、ってあとから思った。でも、その時の私には、そうは思えなかった。
お母さんは私が居るのが迷惑なのかな、って思った。だから、外に"遊びに”って言いながら、私を家から出そうとしてるんだって思った。
呉羽
呉羽
行かない。一人で行っても、楽しくないから。
お母さん。
琴音連れていく?
呉羽
呉羽
え?
琴音も?お母さんは、私に出て行って欲しいんだよね?そしたら、お気に入りの琴音も一緒に出さなくてもいいじゃない。
もしかしから、お母さんは外に行かない私を、本当に心配してくれたのかな。もしそうだったら、いいな。
お母さん。
外行かないなら、宿題しなさい。
それだけ言って、お母さんは私より先に降りて行った。今日のお母さんは、機嫌がいい。この間喧嘩していたのも、私から謝って終止符を打ったから、お母さんは優しかった。口調も、いつも通り。優しい時のお母さん。
机の上に置いていた水筒は冷たいけれど、私の心は、久しぶりに暖かくなった。毎日こうならいいのに。学校が、なければいいのに。

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