いつも通りに早めの時間に起き、朝食を食べ、制服を着て学校に向かう。そんな当たり前の生活をこれからも送ると思っていた。けれど、それは慈悲なく崩れていく。その理由がくだらないものだったのなら私は激怒するだろう。けれど、今日は違う。なぜならこれは神が起こした試練であり救済だからだ。
『どうもこんにちは君の分身です』
何の冗談か目を擦ってみる。けれど、見ているものは変わらない。そう、私と同じ顔の人間が私の前に立っているのだ。何処か違うとすれば笑っていることだけ。
「 もう一人自分が居たら君はどうする?」
「もう一人自分が居たら?そんなの、自分の都合が良くなるように動かすに決まってるでしょう?」
「そんな、真摯な願いが僕を呼んだのさ。」
重い口を開けそう答えると相手は先程と同じ笑みを浮かべながらそう言った。その瞬間から影が二つ伸び、そしてまた幕が上がった。
「そりゃ願ったとも。」
こんな偶然起こるとは思っていなかった。否、これは偶然ではなく必然と言うべきなのかもしれない。今日からお前が私の艱難辛苦すべてを担うんだ。
精々、私の代行者となり
散れ
はい、お久しぶりです。作者の楓です。いやぁ、2ヶ月ぶりですね。
ちょっとこの2ヶ月文スト沼にハマってました←。いやまぁ、まだ抜け出せてないのだけれど。というか、抜け出す気は無いのだけれど。では、本題にいきましょうか。この話はわかる方にはわかるかも知れません。だって、ボカロの曲ですからね。まぁ、へぇ、面白いなあ。ぐらいの気持ちで読んでくださると嬉しいです。
(相変わらず作者からが長いな。なんて言わないで←)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。