第12話

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2021/08/11 12:04
思考が完全に停止した。
なんでッ…、おれ…キスされ、て……。
ノワール
ノワール
………
ゆっくりと唇を話したノワールはジッ…と俺の目を見つめる。
ブラッド
ブラッド
なん、で……
ノワール
ノワール
……キスしたくなるような顔してたから。
ブラッド
ブラッド
して、なッ……
ノワール
ノワール
……なぁ、お前さ、あの時のこと覚えてるだろ。
ブラッド
ブラッド
いつのこと…?
ノワール
ノワール
俺らが襲われた時のこと。お前が死にかけて…俺が助けた時。
ブラッド
ブラッド
ッ……しらないッ…、覚えて、無いッ…!
嘘だ。覚えてる。覚えてるからこうなっているんだ。
ノワール
ノワール
お前ッ………
ブラッド
ブラッド
うるさいッ…もう、離してッ……。
ノワール
ノワール
…悪い。
パッ…とノワールの手が離れると同時に俺は立ち上がり、逃げるようにその場を離れた。
なんで…素直になれないんだ。


地面に座り込み、膝を抱える。


建物を出る間際に見えたノワールの表情は少し悲しそうで、切なく見えた。

俺の、せいだ。俺がもっとちゃんと……言えてれば。


言う…?

言うって…何を?素直になるって、何?


雨にびしょびしょになった顔を上げ、ボーッと目の前を見つめてようやく理解する。












あぁ…俺は、ノワールのことが好きなんだ。




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ノワール視点。
ノワール
ノワール
はぁ…やらかした。
…完全にやらかした。
あの時の自分は一体何を思ったのだろう。

今じゃ全く理解できない。

何故口付けようと思った?
意味、分からない。
大きなため息をつき、床を見つめていると、ポケットの中の通信機に連絡が入っていることに気がついた。
確認すると、新しい任務と、ターゲット情報が載せられていた。
【名前】麻峯 晴人(アサミネ ハルト)
【性別】男
【住所】東京都 ○○○○………
ノワール
ノワール
はぁ…。
このままここにいても、時間の無駄だ。

行くか…。
俺は立ち上がり、近くに立てかけていた鎌で字列を書く。
ノワール
ノワール
……行くか。
ノワール
ノワール
………───────。
…俺は文字の上に立ち、呪文のようなものを唱えた。
その瞬間体が軽くなり、目の前が真っ白に染った。








ノワール
ノワール
ッ…ぅ"ッ…
ゆっくり目を開くと、目の前が多くのの人が行き交う交差点に変わった。
人間界に来たのか…。  

ちなみに、人間界で俺の姿が視認できるのは、ターゲットだけだ。
早いことターゲット処理して帰ろう…。

持ってきたターゲットの情報をポケットから取り出す。
麻峯晴人…。茶髪の男…。
辺りを見渡す。


茶髪の男なんて山ほどいるんだが…。
ノワール
ノワール
…長くなりそうだな…。
そう呟き、一方踏み出した瞬間後ろからどこ聞いたことのある声が聞こえた。
…る、か……?
ノワール
ノワール
ッ…!?
思わず振り返ると、茶髪の男が俺の事をじっと見つめているのに気がついた。
俺のことが見えてるってことは…今回のターゲットはコイツってことか…。

運がいい…。今の内に魂を狩ってしまおう。
そう思い、男に近づこうとすると、俺よりも先に男が走って俺に抱きついてきた。
ノワール
ノワール
ッ…!?
晴人
晴人
るかッ…!るか、なのかッ…!?会いたかったッ…、
ノワール
ノワール
何、言ってッ……はな、せッ…
バッと振り払おうとしたが、それよりも強い力で抱きしめられているため、身動きが取れなかった。
晴人
晴人
ふぇッ…グスッ…ぅッ…うぅッ
ノワール
ノワール
ッ…は、ちょッ…何、泣いてッ…、っ…離れろって!
晴人
晴人
ッ…、るかッ……、おれッ…俺ッ…!
男が顔を上げ、俺の顔を見つめる。
その瞬間、俺の中で何かが繋がった。
ノワール
ノワール
はるッ…、と……?

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