第11話

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2021/08/11 00:14
その日以来、しばらく晴れの日が続き、ノワールに会えることは無かった。
それに…どうも顔を合わせるのが気まずくて中々素直に行けないのもあった。


ノワールに会えていないため、血も足りていない。

俺の体はかなり衰弱しており、体を動かすのが酷くだるかった。
布団に引きこもってうずくまっていると、ドンドンッとドアが叩かれた。
ブラッド
ブラッド
ッ…だれ、だ…
…俺。開けろ。
ブラッド
ブラッド
……誰?
れい
ブラッド
ブラッド
ッ…!零!?ちょ、まって。今開ける!
俺は勢いよく布団から出て、扉を開けた。
零
ッ…と…あぶねぇ。
ブラッド
ブラッド
れ、零ッ…!久しぶりだなッ…!何年ぶりだ…!?
お前ッ…こんなに大きくなってッ…。
零
やめろ、おっさんくせぇ。
目の前のコイツは零。

花兎と幼なじみで、狼に部類されている。

俺は、花兎と零が幼い時から2人の面倒を見ていた。
だから俺にとって2人は親子ではないが、それに近しい存在だった。

花兎とは定期的にあっていたのだが、零とは一切連絡が取れなかった。
零
っていうか、ブラッドさん痩せた?ガリガリじゃん。もっと食えよ、背伸びねぇぞ。
ブラッド
ブラッド
もう手遅れだよ…。
零は身長がデカく、今では俺を見下ろすくらいの身長になってしまっていた。

あぁ…あの時は俺の腰あたりにいたのに…。
ブラッド
ブラッド
…でどうしたんだ、いきなり。
零
……道で見たことない男にこれ渡された。ブラッドさんに渡せって。
ブラッド
ブラッド
……?
零が差し出した紙を受け取り、ペラッ…と開く。
ブラッド
ブラッド
…地図…?どんな奴から渡されたんだ?これ。
零
…デカい鎌持ってて、ガリッガリで目が赤い男。
ブラッド
ブラッド
……それってッ…
ノワール、だよな。
この地図は、どういうことだ?

この地図の先に何かがあるのか?
零
そういうことだから。俺、もう帰る。
ブラッド
ブラッド
えぇ!?もう帰んの!?
零
うん。やりてぇことあるから。
あー…あとこれ、花兎から。
ちゃんと飯食えって。
ブラッド
ブラッド
え、え?ご飯…?っていうか花兎とまだ仲良いのか…!?良かった…。
零
別に良くない。あんなのただの………。
そこまで言いかけて、零が口を噤んだ。
ブラッド
ブラッド
…零?
零
なんでもない。じゃあ。ちゃんと飯食えよ。
零が扉を開けて出ていった。

その時ようやく気がつく。

外…雨だ。






外に出る前に零から渡されたビニール袋の中身を確認した。
肉とか…レトルト食品とか……カップ麺とか……。
花兎からって言ってたけどこれ、絶対零が買ってきてくれたんだろうな…。
嬉しくて、口元に笑みがこぼれた。
ブラッド
ブラッド
…さてと。
俺は傘を指し、地図を片手にだるい体を引きずるように家を出た。






地図をヒントに草を掻き分けて進む。
ブラッド
ブラッド
…こっちか…?ッ…暗ッ…!こんなところに何がッ…
ノワール
ノワール
…おーブラッド〜。
ブラッド
ブラッド
ひッ!?の、ノワールッ…!?
突然現れた影に体を跳ねさせ後ずさる。
ノワール
ノワール
よう。久しぶり。ちゃんと届いてたみたいで良かった。
ブラッド
ブラッド
こ、この地図の事か…?
ノワール
ノワール
そうそう。ここは新しい俺の住み所。この前までの所、研究所のヤツらにバレちゃったから。
ブラッド
ブラッド
そうだったのか…。にしてもなんで零に…?
ノワール
ノワール
…零?誰だ、それ。
ブラッド
ブラッド
お前が地図渡した男だよ。
知らずに渡してたのか…。
ノワール
ノワール
仕方ねぇだろ。お前の家知らねぇんだから。適当なやつに渡せば、いずれお前んとこに行くと思った。
コイツ、居場所バレちゃダメなんじゃないの!?
渡した相手が零で良かった…。
ノワール
ノワール
ついてこいよ。こっちに建物があるんだ。
ブラッド
ブラッド
あッ…うん!
ノワールについて行くと、
少しコンクリート式の建物があった。
前のところと大差はなかったが、こちらの方が崩れている部分は少なかった。
ノワール
ノワール
ここなら目立たないし、大丈夫かなって。
ブラッド
ブラッド
そうだな。地図見ないと辿り着けないな。
ノワール
ノワール
…あぁそうだ。ブラッド、怪我はもう平気か?
突然の質問に少し戸惑ってしまった。
平気では、無い。今でも普通に結構痛い。
でもそんなこと言ったら心配かけちゃうかな…。
ブラッド
ブラッド
…大丈夫だ。痛みも引いてきたし。
ノワール
ノワール
…お前、嘘つくの本当に下手くそだな。全部顔に出てるんだよ。
ノワールはそう言うと、俺の頬を片手で掴み、顔をグッと近づけてきた。
真正面から間近で目が合ってしまい、顔に熱が溜まっていくのが自分でも分かった。
ブラッド
ブラッド
ッ〜///ち、ちかッ…ぃ……//
ノワール
ノワール
は?そこまで近い距離じゃ……って大丈夫か?
地面にしゃがみ込んだ俺を見てノワールが心配してくる。

俺はドクドクとうるさく鳴る心臓を落ち着かせ、静かに立ち上がった。
ブラッド
ブラッド
うぅッ……//
ノワール
ノワール
っていうかお前いつもより顔色悪くね?
ブラッド
ブラッド
そんな、ことッ…ない…ッ……ゲホッ、
その途端、耐えていた体のだるさと血液不足による体調不良が一気に押し寄せてきて、ガタンッ…とノワールの方に倒れ込んでしまった。
ブラッド
ブラッド
ゲホッ、ぅ"っ…
ノワール
ノワール
ッ…おい、落ち着け。傷が痛むか?
それとも…血液か?
ブラッド
ブラッド
血ッ…ほ、しっ…ぃ…、早くッ…ゲホッ、
ノワール
ノワール
分かった。ほら、吸っていいよ。
ノワールが服の襟元を少し下げた瞬間、俺はその白い首に思い切り噛み付いた。
ノワール
ノワール
ッ…ぃ"ッ…てッ…、
ブラッド
ブラッド
ふぅッ…ぅ"ッ…ガリッ…ヂュウッ…、
ノワールの足元がふらつき、地面に倒れたが俺は倒れたノワールの上に跨り、血を吸い続けた。
ノワール
ノワール
ッ…はッ、ぁッ…い"ッ…てッ…ぇ…、
血を飲む度、更に多くの血を欲してしまう。

結果、理性を失い、相手の血がなくがなくなるまで血を吸い尽くしてしまう。

これが吸血鬼だ。
ブラッド
ブラッド
ふッ…ぅ"っ…ガリッ…ヂュウッ…ッ…ぅ"ッ…
ノワール
ノワール
ブラッドッ…、
ポスッ…と優しく抱きしめられ、ふと我に返った。
ノワールの顔は見たことないくらい真っ白で、息を切らしていた。
ブラッド
ブラッド
ッ…ぁ"ッ…、ご、めッ…俺ッ…ッ
また暴走してッ…
ノワール
ノワール
いい。気にすんな。しばらくあってなかったし、仕方ねぇ。
ギュウッ…と強く抱きしめられる。

その時気がついた。俺の体か震えていることに。

どうして震えているのか、自分でも分からない。

でも、ノワールがそれに気が付き、落ち着かせようとしてくれているのは分かった。
ノワール
ノワール
……落ち着いたか?
ブラッド
ブラッド
う、ん……大丈夫ッ…、ごめん。
ノワールが、ムクッ…と上半身を起き上がらせると、俺がノワールの膝に乗っかる形になってしまった。
ジッ…と顔を見つめられ、無性に恥ずかしくなって急いで退こうとすると、ガシッと腰の当たりを抱きしめられてしまった。
ノワール
ノワール
怪我、まだ痛むんだろ?
ノワールはそう言うと、俺の服をペラッと捲ってきた。
ブラッド
ブラッド
ひッ…!?///
ノワール
ノワール
ん…傷は塞がってきたな。
ブラッド
ブラッド
そ、そうッ…だから、もう大丈夫だからッ…!////
ノワール
ノワール
……何、お前最近変だな。この前だって奇声発しながら走って帰って行ったし…。
ブラッド
ブラッド
ッ…そ、それはッ…!
お前が、き、キスなんかッ…するから!!/////
変に意識することでもないはずなのに、目が合う度に思い出してしまう。
そのせいで今まで何ともなかった距離が近く感じてしまったり、ちょっとした行動にいちいち反応してしまう。
ブラッド
ブラッド
ッ…///
ノワール
ノワール
………お前、なんつー顔してんだよ。
ブラッド
ブラッド
……ぇ
ノワールに体を引き寄せられた直後、
チュッ…と唇に口付けされた。

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