第18話

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2021/09/11 03:59





ねぇ、××。
「…ん?どうした?」
大きくなったら─────、
「そんなの、当たり前だろ。大好きだよ。」
…ふふッ…ありがとう。ぼくも、大好きッ…!









ピピピピピピピッ!!!
花兎
花兎
ッ!
カチッと目覚ましをとめ、起き上がる。

またこの夢か…。最近よく見るなぁ…。

ぴょんっとベッドから起き上がり、隣の部屋の部屋をノックする。
花兎
花兎
れーい!起きて〜!
……。

花兎
花兎
もぉ〜!
ガチャっと扉を開けて、部屋に入り込む。
花兎
花兎
零!起きて!朝!
零
ん"ッ…うっせぇな……
花兎
花兎
うっさくない!ほら、おきてッ…!
学校遅れちゃうよ!
零
…休む。
花兎
花兎
休みません!そろそろ出席日数危ないよ!
強引に布団から引っ張り出し、引きずりながらリビングに行く。
適当に焼いたトーストを零の前に置き、急いで零の部屋の布団を干しに行く。
花兎
花兎
よいしょッ…ん…?
布団を持ち上げた時、
ベッドの下から1枚の新聞記事が出てきた。
2週間前の新聞だ。
花兎
花兎
ッ……これッ…
思わず記事に目を通す。
花兎
花兎
ッ…やっぱり…、ブラッドさんの…、
じっと床の木目を見つめる。

新聞には、ブラッドさんの死を報せるものが書かれていた。



今から2週間前、ブラッドさんの遺体がブラッドさんの自宅で見つかった。
しばらく連絡が途切れ、不安に思った僕が零を連れてブラッドさんの家に行くと、真っ白な顔をしてベッドの上で横たわるブラッドさんがいた。
急いで救急車を呼んだが、すぐに死亡が確認されたらしい。
死因は未だに不明。外傷や、争った痕跡がないことから、殺人ではないことが確認されているようだ。



…ブラッドさんは僕たちの恩人だった。

親に捨てられて、行く場所も食べる物もなかった僕たちに手を差し伸べてくれた唯一の存在…。

そんなブラッドさんが死んでしまったなんて本当に信じられない。何があったのだろうか…。
零
おい、花兎。何して……、何してんだ。
このバカ。
花兎
花兎
ふッ…ぇ…えッ…グスッ…零ぃッ…
零
鬱陶しい…、朝から泣くなよ…
零は僕の手から新聞記事を取り上げ、机の中にしまった。
零
ったく…布団干しに行ったっきり帰ってこないと思えば…何してんだ。
花兎
花兎
だってッ…だってぇッ…ぇ"っ…
2週間経ったとはいえ、未だに傷は癒えない。
癒えるわけ、ないよ…。
零
…2週間も前のことだろ。いい加減認めろ。
花兎
花兎
なんで零はそんなに冷静でいられるの…?
おかしいよッ…!
零
泣き喚いてればブラッドさんが生き返るのか?
花兎
花兎
生き返ら…ないけどッ…でもッ…
零
…時間の無駄。早く着替えろ。
花兎
花兎
…………うん、
零は制服を僕に投げ捨て、部屋を出ていった。
…零も昔はあんなんじゃなかったのになぁ…。

いつの間にあんなになってしまったんだろう…。
花兎
花兎
はぁ…、
小さく溜息をつき、制服に着替える。
着替え終わり、のそのそとリビングに行くと、零が家を出ようとしているのが見えた。
花兎
花兎
ちょっと!零!
零
…何。
花兎
花兎
なんで待っててくれないの!?一緒に行こうって言ったじゃん!
零
了承した覚えねぇんだけど。
僕は急いでリュックを背負い、零の隣を歩く。
零
…はぁ、
諦めたような零の溜息にふるッ…と笑みをこぼす。

なんだかんだで一緒に行ってくれるの優しいよね…。
その時、遠くから学校の予鈴が聞こえてきた。
あと10分でHRが始まるという合図だ。


…あと10分!?
花兎
花兎
れ、れいッ…!急がないと!遅れちゃう!
予鈴を聞いてなお歩調を早めない零の腕を引っ張り、
走り出す。
何とか校門を潜り、時計を見る。
良かった…まだ間に合いそうだ。
花兎
花兎
はぁッ…はぁっ…よかったぁ。
零
走んなくても絶てぇ間に合っただろ。
花兎
花兎
遅れたらどうするの!
仁
おーおー、お前ら相変わらず仲良いな。
…仲良いのはいいけど時計は見ろよ〜
花兎
花兎
せんせぇ!
柱によっかかってこちらを見ているのはじん先生。僕らの担任の先生だ。
零
別に仲良くねぇし…
仁
おうおう。零はまだそういう時期か。
素直じゃねぇなぁ、
零
おっさんくさッ…、ちょッ…頭撫でんなッ!
花兎
花兎
って先生と話してる場合じゃないの!
ほら、零!行くよ!?
ガシッと零の腕を掴み、教室に急ぐ。

正直、担任である仁先生が校門にいるなら、遅刻したってバレないんだけど…。
ガラガラッと勢いよく教室のドアを開ける。
仁
あと10秒〜、
花兎
花兎
せ、先生!?
な、なんでもう教室に…!?

さっきまで外にいたのにッ…!
仁
5、4、3…
花兎
花兎
ひッ…
零
だる…
ニコニコと微笑みながらカウントダウンを始める先生に脅えながら急いで席に座る。
仁
はぁ〜い2人ともセーフ。
仁
よし、全員いるな。
じゃあ今日の予定話してくからちゃんと聞いとけよ。
先生がそう言うと、カタッ…と教卓においてあったチョークが勝手に動きだし、黒板に文字を書いて行った。
先生の「魔術」だ。



【魔術師】
習得すれば、魔術が使える。
優秀な人が多い。


さっきの瞬間移動のようなものも、
もしかしたら魔術なのかもしれない。
仁
そして!今朝俺に頭を撫でられて
照れていた零くん。
俺から君に再テストという
ラブレターを差し上げよう。
零
…は?
仁
いやぁ、ね?俺もこんなこと言いたくないんだけど、名前だけ書いて全部空白で出すのは無いでしょ…。俺傷ついちゃう。ってことで放課後再テストね。
…零…なにやってんの…苦笑
チラッと零に視線をやると、ものすごく嫌そうな顔をしていた。


この顔…絶対サボろうとしてるな…。
もうッ…本気出せば頭いいのに…、勿体ないなぁ…。












作者
作者
とりあえず、前回で「死神、吸血鬼 編」は終了したので、今回から「狼、兎 編」に入ります。
作者
作者
前のふたりは、グロイ系の🔞だったんですが、この2人からエロい系入ってきますのでご注意ください。
作者
作者
一応題名に絵文字入れておきますが、忘れたらごめんなさい。

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