第19話

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2021/09/14 11:11
授業が終わり、教室からクラスメイトが減っていく。
僕も帰ろっと…
花兎
花兎
れい〜、帰ろ〜……あっ!
零の近くに駆け寄ろうとして思い出す。

今日再テストあるんだっけ…。
仕方ないよね、1人で帰ろう…。
僕が帰ろうとすると、カバンを持った零が走って教室をから出てきた。
花兎
花兎
へ!?零ッ…?今日再テストじゃッ…
零
うるせぇ、
花兎
花兎
さ、サボっちゃダメだよッ…!
零の腕を掴み、ギュウッ…と引き止める。
だってこれ以上サボらせたら零の成績がッ…!(震)
零
ッ…ちょッ…バカッ…離せッ…!
仁
零く〜ん、なぁに逃げようとしているのかなぁ〜?俺からのラブレターを受け取ってくれないのかい?
零
誰が受け取るかッ…ってうぉッ…んだこれッ…!
零の声に反応し、零の体に目を向ける。すると、零の足元からツタが伸び、零の足に絡みついているのが見えた。
これッ…先生の魔術…?

逃げさせる気ないな…これ…笑
仁
ごめんね、花兎。先帰っててくれる?零、テストあるからさ。
花兎
花兎
分かりました!
仁
はぁい。じゃあ零くん。こちらのお席へどうぞ〜♡
零
やめろッ…はなせッ…!!
逃げようとする零を強引に引っ張り、席に座らせた先生は、ハッとしたように真剣な顔で僕の元に戻ってきた。
花兎
花兎
…?どうしたんですか?
仁
…なるべく急いで帰ってね
花兎
花兎
へ?わ、分かりました…、
仁
ん。気をつけて帰れよ。
いつもより真剣な声のトーンに戸惑いつつも、返事をすると、先生は再びニコニコした表情に戻り、零の元に戻って行った。

先生の言葉に首を傾げたが、気にせず学校を出た。
帰り道、ふと空を見上げる。






空には薄い満月が浮かんでいた。





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花兎
花兎
はぁッ…はぁッ…
僕は満月を見た後、全力で家まで走り、着替えることもせず、自室のベッドに潜り込んだ。
息が切れ、上手く呼吸が出来なかった。
一瞬見えたカーテンの隙間からは既に光は差し込んでおらず、日が落ちたあとのようだった。
満月が黄色く色づき始めた頃、『兎』は発情し、『狼』は兎に欲情する。

それが僕らに与えられた種族の特徴だった。
花兎
花兎
はぁッ…はぁッ…、
ギュウッ…と手元のクッションを抱きしめ、体を落ち着かせる。
零はッ…まだ先生の所かッ…。

校内では先生がいるから大丈夫だと思うけど…帰りが心配だな…。帰り道に発情した兎に会ったりなんてしたらッ……、
花兎
花兎
うぅッ…//
徐々に自分の体の体温が上がり、落ち着いてきた息が再び荒くなっていくのが分かった。
月が…色付き始めているんだ。
花兎
花兎
ぁ…そうだ…薬ッ…
ハッとして、投げ捨てていた鞄の中から薬を取り出す。


抑制薬だ。


発情を無くすことはできないが、これを飲むことにより、発情の症状を軽くすることが出来る。
震える手で錠剤を取り出し、口の中に入れようとしたその時。


ガンッ!!と大きい音がなり、僕の自室のドアが開いた。
零
はッ……はぁッ…ッ…くッ…そッ…
花兎
花兎
ッ…れ、いッ…!
ドアの先には息を激しく切らした零が立っていた。

零はおぼつかない足取りで僕に近づき、グッと胸ぐらを掴んできた。
花兎
花兎
ッ…れッ…
零
なんで薬飲んでねぇんだよ"ッ…!満月の夜の前には絶対飲んどけって言ってるだろ!?
花兎
花兎
ごめッ…なさッ……、副作用ッ…本当につらくてっ…
零
んなこと知らねぇよッ…くそッ…まじ、でッ……、ふざけんなッ…
花兎
花兎
く、薬ッ…今飲もうとしてッ…
僕は落としてしまった錠剤を探す。

どこだッ…どこに転がってしまったんだッ…
一生懸命に探したが、焦っていたせいもあって、小さい錠剤はなかなか見つからなかった。
零
チッ…くそッ…もういいッ…
花兎
花兎
えッ…?零…?
零はイラついた様な声を発したあと、僕のズボンのベルトに手をかけた。
花兎
花兎
ッ…!な、なにしてッ…!待ってッ…零ッ…!
零
てめぇが薬探すより、解消した方が何倍も早いだろ。
花兎
花兎
ッ…でもッ…!
嫌なんだ…この状態の零に抱かれるのは…。
零
絶てぇ暴れるなよ。
ガリッ…と肩に噛みつかれる。

八重歯が思い切り食込み、痛みが走った。
花兎
花兎
ぃ"ッ…た"ぃッ…
零
ふぅッ…ぅ"っ…う"ッ…
零の喉からググッ…と音が鳴る。
欲情している合図だ。

欲情した狼は理性を失う。そんな状態になった狼を止めることは少なくとも兎には不可能だ。
ギュウッと閉じていた目をうっすらと開けると、零と目が合ってしまった。
花兎
花兎
ッ…ッ…!
嫌、だッ…、










食べられるッ………、

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