私は無我夢中に走り出していた。いつもと違うランニングコース。いつもより早いペース配分、そう向かっていた先は光太郎の家だ。こんな時間に迷惑だというのは分かっている。でも、このまま合宿行くのも嫌だ。彼の家のインターホンを押す。彼の母親が出てきた。私を見て驚いた顔をした。
彼はまだ家に帰ってないらしい
どういう事なのかさっぱり分からない。
ありがとうございますとだけ伝え私はまた走り出す。いつものコースへと戻りいつもより長い時間遠回りをしながら走る。
目頭が熱くなるのが分かる。少し公園で休んでは涙を拭き取りまた走り出す。そして家に帰った。
明日は音駒に行く。こんな顔して他校には行けない。明日は一日オフにしよう。黒尾くんに連絡を入れる。
明日は一人の時間を作る日。
ポキポキ♪と私の携帯が鳴る
その画面に映る衝撃的な画像
みんな...?
多分、これが原因だ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!