第26話

31、バリボー
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2019/01/07 15:05
赤葦「今月のバリボーは、ユース特集らしいです。」
春高も終わって、光太郎達3年は引退した。
私?私は大学は推薦が沢山来てるからあとから決めさせてもらうことにしたの。
『そーいえば、取材受けたよー』
赤葦「七瀬さん表紙じゃないですか」
『えっ?』
若利くんと私のツーショットが表紙にあった。
赤葦「身長差凄いですね。」
『なっ!』
尾長「鳳蝶再来って、七瀬さん特集されてるじゃないですか。」
みんな取材一緒だったのに私だけ別で呼ばれた時あって、みんなに特集じゃない?って言われたけどまさかねぇってしてたら見事なフラグ回収だよね!!!
赤葦「コート上で鳳蝶のように、可憐に誰しもが見惚れるようなサービスやセットアップをする七瀬あなた選手がユース選手になること一足早くバリボーに公開してくださいました。15歳の時も15歳とは思えないセットアップ、男子にも負けず劣らずのサーブを打ち込んできた七瀬選手ですが、18歳になって更にセットアップの正確さ、サービスのコントロール力そして、容姿の美しさまで増して戻ってきましたね笑べた褒めされてますね笑」

全部読むあたり赤葦だわ。

『取材してくれた人女性だったんだけど、凄いバレー大好きな人っぽかったよ。』

尾長「前、女の人が七瀬さんにずっとついて行ってましたけど学校に取材来ていたんですね。」

『うんー笑。』
赤葦「...」
『赤葦どったの?』
赤葦「いや...七瀬さん、これ大丈夫ですか?」
『ん?』
七瀬選手の彼氏?と思われる方。年下みたいですね。部活内でもいい雰囲気です。
『...赤葦が彼氏だと思われたってこと?』
赤葦「はい...」
『なんかごめんね。』
赤葦「俺は構いませんよ。でも、木兎さんは」
『光太郎のとこ行かなきゃなぁ...バリボー見てなければいいけど...』
ー帰り道ー
『光太郎~』
木兎「あなた!今日コンビニ寄ってもいいか?」
『えっ?あー、うん。いいよ』
《コンビニ》
木兎「あったあった。バリボー」
『光太郎、それ買うの...?』
木兎「毎月買ってるし、何せ今回はユース特集だからあなたも出てるんだろ!買わない以外無いだろ!」
『う、うん...』
木兎「どうしたんだよ?」
『いや...その...編集者の人が勘違いして...赤葦と付き合ってると思われちゃって...』(小声)
木兎「もっと大きい声で!」
『光太郎じゃなくて赤葦が彼氏だと思われたの...』
木兎「な、なに!?」
買ったばかりのバリボーを取り出してパラパラとめくりだした光太郎
木兎「ほんとだ、いつ取材来てた?!」
『光太郎、お休みしてた日...』
木兎「嘘だろ!?」
『きっと大丈夫...だよ...』
世の中に赤葦が彼氏だと思われたなら、それは私が嘘だと言わない限り無理だ。公表するのは高校生の私には荷が重すぎるから、もう少しだけ待っててくれるかな、光太郎。

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