第3話

第17話 それきり。
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2018/11/17 13:25
ドアを開けると光太郎なんだけど光太郎じゃないみたいな...髪型で人って変わるんだ...なんか、及川さんに近い髪型っていうのかな。いつもと違うセットをしてる彼は、さらにかっこいい気がする。

服はグレーのパーカーを1枚でダボっとしてきてる、で、下はジーパン...普通にかっこいい...
木兎side

髪をアップにしてるあなたは、いつも簡単に結んでるポニーテール?って奴よりも可愛く見えた。編み込みとか言うやつをやってあって、なんか手が込んでる。
少しメイクもしてる。化粧うっす!パッと見リップ?しか塗ってなく見える。化粧なんてしなくても全然かわいいけどな。

んでミニスカート。黒のタイツが理性を壊しにきてる。白いブラウスも何もかもあなたは着こなしていて。すごいかわいい。
外に出ると靴を履いたあなたはいつもより身長が高い気がした。靴か、厚底になってる。

ほんと、俺の彼女可愛すぎる。

木兎sideend
『美味しかった〜』

木兎「あんな少なくてよかったのか?」

『んー。食べ歩きとかしたいなーって思ってさ。』

木兎「そー。」

『あ。スポーツショップに用があるの。』

木兎「じゃ俺もテーピング買う。」

『ちょっと長くなりそうだからどっか座ってていーよ?』

木兎「いーよ。一緒に居る。」

『ん。ありがとう。』

『テーピング...ソックス...あとは...タオル...あとこれ。』

木兎「なんで2個?」

『秘密!』

木兎『ユースの誰かとお揃いにすんの?』

『んーん?違うよ笑ユースのメンバーにはそれぞれイニシャルが入ったタオル発注してある』

木兎「ふーん。用途がわからん...」

『まぁ、そのうち分かると思う。』
木兎「あなた荷物貸して。持つよ。」

『これは私の買い物だから、自分で持つ!でも...光太郎と...手繋ぎたいから半分持って...?』

木兎「もちろん。いいぞ!」

『えへへ』(めっちゃ嬉しそう)

木兎「この後どっか行きたいお店あるか?」

『んー...特にないけど今は光太郎と、一緒に居るだけで結構満足だよ?』

木兎「なんだよそれ笑」

『だってほんとだもーん。』

木兎「はいはいそーですか笑」

木兎「あ。ちょっとトイレ行ってくるわ。」

『?うん。分かった。あそこで待ってるね。』

木兎「おー。」


モブ男「ねぇ、そこの君。」

『?私ですか?』

モブ男「1人?」

『いや、連れがいますけど…』

モブ男「彼氏??友達?」

『彼氏ですけど...』

モブ男「ほんとに?実は居ないんじゃないのー?俺とどっかいこーよ。」

『へ?やめてください。』

ガシッ
やばい連れてかれる。助けて...

?「あの。女の子無理矢理連れていこうとするとか、最低じゃないですか?」

『!!...いっ...』
ギリギリと男の爪が腕に食い込む

赤葦:グイッ
「その汚い手を早くどけてください。彼女から今すぐ手を引いてください。彼女は今体を大切にしなくては行けないんです。」
ギロッ

男を赤葦くんが睨みつけた。すると男派手を離し、どこかへ行ってしまった。
男がどこかに行った瞬間安心して涙が出てきた。
赤葦「はぁ...よかったです。」

『赤葦くん泣ありがとう...』早く涙止まって。光太郎が来る前に。

赤葦「いえ。なんか見覚えのある顔だと思ったら、七瀬さんで、驚きました。怖かったですよね。痛かったですよね。もう大丈夫ですよ。」

『怖かった...し痛かった泣連れてかれちゃうかと思った泣』

赤葦「木兎さんは?木兎さんはどこですか。」

『トイレに行ったきり帰ってこないの...』

まさか...ねぇ?

赤葦「七瀬さん、木兎さんに、電話してください。」

『?分かった。』
ーーーーTELーーーーー
木兎:もしもーし

いまどこ??

木兎:ごめん、あなた先帰ってていいから

え?なんで??

木兎:俺はいいから、先帰って。
(少し強い言い方をする)

っ...分かった。合宿明けたら、また会おうね

木兎:もう大会近いし無理じゃねぇのか?

...そっか。無理には言わないよ。ごめんね。

赤葦「七瀬さん代わってください。」

赤葦:木兎さん。
赤葦くんは少し責めた言い方をする。そして、私がナンパされたこと連れてかれそうになったこと腕に傷が出来たこと。全て話していた。そして、電話を切って私にスマホを返す。

赤葦「また、色々あると困るので送っていきます」

『家族に誤解されちゃうから、大丈夫!トレーニングがてら、走って帰るよ。』
そう言い捨て去るように走り出す

赤葦「あ。ちょっと七瀬さん!!」
ここまで光太郎と歩いて行った道を私は1人で走っていた。無駄におしゃれな格好して無駄に可愛くして。光太郎に可愛いって言ってもらいたくて。でも、少しの努力は無駄だったのかも。雪絵ちゃん達になんて報告しようかな。

短い付き合いだったけど別れるのかな。

怖いよ。好きなのに。

ガチャッ『ただいま。』

荒れる呼吸を整えるように肩で息する私。

パタパタと玄関先に出てきたお母さんと弟。
私が泣いているのを見て、すごい驚いてる。
上手く笑えない。










この後私は彼に連絡入れなかった。

それきり梟谷の練習には参加せず、強化合宿へと向かうことになった。

その日に彼に会うだなんてね。

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