第6話

シャワーよりお風呂やな
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2018/04/11 14:14
「シャワー先行ってこい」
上着と荷物を置いたうらたさんは、ベッドにドスンと座り俺に言ってきた。
「おおきに、うらたさん」
「おう」
ドアを閉めて服を脱ぎカゴに入れていく。俺は遠足の前夜の小学生のようなノリで、体を洗い始めた。

あ、そうそう。今俺がいるのはあっち系のホテルや。最後に来たんは先々月だった気が…。

まぁそないなことは置いといて、俺は急いで体を洗った。









「うらたさーん、出ましたよー…って、寝てしもぅてるやん」
ドアを開けてびっくり。うらたさんはベッドの上で横になり、寝息をたてていた。これから運動会するのにこの余裕…。
「無防備すぎやろ、うらたさん…来ない場所でそんな余裕ぶちかまさんといてくださいよ」
俺は小さな体を抱き上げ、白くて細い首に軽くキスをした。









湯船に浸かるのは好きや。けど、流石に誰かと二人でお風呂なんて、小さい頃が最後やと思う。
「せやけど、恋人と入るなんて思わんかったわ…」
今俺は、寝ているけどもうらたさんと風呂に入っとる。服は脱がせたんやけど、流石に洗うんは起こしてまうかもしれへんから、さっきはとりあえず軽く体を流しただけやねん。
「んっ、んん…」
「!!」
「んー…」
「…なんや、起きたんかと思ったわ」
湯に浸かってからまだ五分くらいやろか。流石にもう気づきはる思うんやけど、うらたさんは起きる気配が全くない。もう起こした方がええような気すらしてきた。
「えっと…うらたさん?」
「んんー…」
あ、無理や。絶対起きひんわ。

心の中でそう悟ったあと、俺は小さくため息をついた。そんで小さな体を包み込むように、うらたさんを後ろから抱きしめた。

と、そのとき。
「セン、ラ…センラぁ…」
「っ!?」
突然の寝言──それも自分の名前を呼ばれ、俺は思わずうらたさんの顔を覗き込んだ。せやけどやっぱり、目はガッツリ閉じてはった。
「寝言にしては、可愛すぎやろっ…!」

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