私はなにか、その彼の笑顔に感化されたのか知らないけれど
真っ直ぐと走り出していた。
着いた場所は、あれからずっと行けなかった 佐野家 。
ここにつくと、きっと私は泣き崩れてしまうから。
もっとマイキーに向き合うことだって、現実に向き合うことだって出来なくなると思って自分から避けていたところ。
やっぱりいきなり来たけれど、心にずしっとくる景色だな。
中々勇気が出なくて、門のところで立ち尽くすまま。
そんな時だった。
その門が開いたのだ。
マイキーの家は和風な感じで、玄関の前に大きな門があって、そこをくぐって敷地に入るような家
すごく大きなその家の門が開くと、どくんと心臓が跳ねた。
門が開いて、私の目の前に広がったのは
マイキー「あなた………?」
マイキーの姿だった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。