私は知っている。
9人のおっぱたちが最後まで私を
大切にしてくれていたこと。
じそにおっぱとひょんじにおっぱは
私をいつも心配そうに見つめて笑いかけてくれた。
メッセージつきの食事を部屋の前に
いつも置いておいてくれたのは
うじにおっぱとちゃにおっぱ。
夜中に時々、全然私の趣味に合わないような
カップ麺を置いて部屋に戻るのはりのおっぱ。
あんなこと言ってごめん、
そう泣きそうな声で言いながら私の部屋の
前を通るのはちゃんびにおっぱ。
カップ麺をどかして不格好なパンケーキが
置いてあったのはすんみにおっぱと
いぇにおっぱがやってくれてたんだよね?
イベントの後にいつも可愛いぬいぐるみが
あったのはぴりおっぱでしょう?
こんなにも想われているのならなんで
私はあのグループを抜けなくちゃいけなかったのか。
それはみんながメイクヌナの重圧に
耐えきれなかったから。
デビューして長いわけでもなかった私たちは
逆らうことが出来なかった。
だから私の部屋の前にはいつも贈り物が
あってみんなが私を思っていたとしても
私が辞めない限りみんなが危険にさらされていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。