第2話

10月無口な君を忘れる
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2021/10/03 07:11
注意:
・なんとなく書きたくなりました
・「10月無口な君を忘れる」という曲の歌詞小説です
・「Important」エンド1、2の真人とあなたの別れの部分です
・本編よりちょっと詳しめに書いてるつもりです
あなた

おはよう、真人。
もう朝だよ、まあもう11時だから昼に近いんだけど。
私今日からここ出るね、今までありがとう楽しかった。バイバイ

真人
…………
真人はそっぽを向いて黙ったままだ。
あなた

…最後くらい、こっち見てよ

こうなってしまうことぐらい、自分にもわかっていたはずなのに。
高専にいる以上、呪霊みんなか呪術師かどちらかを選ばなきゃいけない日がくるって、わかってたのに。
こうなってしまうぐらいなら、初めから何も要らなかったのに。
呪術師か呪霊、どっちにつくかまだ迷ってた時にもみんなゆっくり決めるといいよと優しく私に寄り添ってくれたのに。
なのに私は仲間の期待を裏切ったんだ。
10月になったら下水道ここを出るとみんなに言った時も、みんな優しく「あなたが決めたことなんだから、あなたがそれでいいならいいよ」と言ってくれた。
別れがこんなに辛いなら、優しさなんて知りたくなかった。
出て行こうとするあなたに真人は一言声をかけた。
真人
………ごめんね
あなた

………っ
ごめんなさい……


















あなたがいなくなると真人は周りを見回した。
からっぽな下水道。
たくさん積んであったあなたの本も今は跡形もなく消え去っている。
思えばあなたがあんな風に混乱してるのを見たのは初めてかも知れない。
あなたは一人でいつも溜め込むくせに、顔によく出やすいから何か悩んでいたらすぐにわかってしまう。
真人
(なんだろう…ちゃんと寝たのに、疲れたな…)
今のままじゃいられないと自分でもわかっていたはずだったのに、どうしても変えられなかった。
そう、何一つも。
気づいたら、涙が流れていた。
真人
っ…戻ってきてよ、あなた…

















小さなリュックに収まるほどの荷物を背負ってあなたは走る。
あなた

(ごめん、ごめんね、真人)

これで、よかったのだ。
ちゃんと別れることができたのに、なぜこんなに胸が痛いのだろう。
いつも、どんな日も一緒にいた仲間なのに。
どうして、どうして人間として生きる選択をしてしまったのだろう。



















夏油に取り込まれる真人を見ながら、あなたは思う。
あなた

(みんなが私にくれた沢山の幸せは忘れない、忘れないから…)

あなた

ごめん、みんな…………

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