第33話

~32~
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2020/10/19 14:18
野菜は柔らかく、よく煮込む。


と言っても、国見くんを待たせたくないし、


出来るだけ早く手を動かす。


スープもお粥も仕上げた後、


もう一品作るため、あるものを溶かしておいた。


その溶かしている間に、国見くんの部屋に向かった。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
国見くん、入るね。
国見 英
あっ、待っ…
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
…………。
国見 英
………すみま、せん?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
ご、ごめんなさい!!!!
ドアを開けて、気付いた。


目を塞ごうにも手は空いていない。


何故ならお盆にスープとお粥が乗っているから。


とにかく後ろを向いて目を閉じた。


ドアを閉めて外に出るなんて余裕は頭に無かった。


その頭は真っ白で、少し目眩がしたほど。




国見くんは、


着替えている最中だった。


国見くんの上半身を見てしまった、


いや、見て醜いとかではなく、


肌綺麗だし、白いし……意外とがっちりとしていた。


いつもは細く見えるのに…着痩せするのかな…


うわぁぁぁぁ、私は何を考えて…!!


とにかく頭をリセットすることだけを考えた。
国見 英
あ、えっと、すぐ着ますから。
そんな気にしないでください。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
いやいやいや気にします、
かなり気にします。
国見 英
女性はアウトでしょうけど、俺ですし…誰も損しませんよ。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
いやいやいつか出来るてかもう居るのでは??その人に失礼です!
国見 英
え誰のことですか。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
えっ、と、彼女。いないの?
国見 英
いません!…ゴホッ…
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
あ、ほらムキになるから…良いんだよ…隠さなくて…。うん。
国見 英
隠してないです…!!
あと、もう大丈夫ですよ。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
あっ、えっと、はい。
お粥とスープ、消化に良いもので、
できるだけ柔らかくしてあるからね。
国見 英
ありがとうございます…。
それから何度か空咳した後、


『いただきます』と食べ始めた。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
薬飲むの忘れないでね!
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
また少ししたら来るから。
何かあったらスマホでね!
国見 英
…?あ、はい。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
残しても大丈夫だから(笑)
国見 英
お腹空いてるので、多分大丈夫です。
グッ、と親指を立てていたし、


いつもの国見くんだと安心して台所へ戻る。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
さて、再開…
白布 賢二郎
コラ、忘れない。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
ハッ、白布くん!お帰り!
白布 賢二郎
ただいま。おすすめのインスタントラーメン買ってきたから。
白布 賢二郎
はい、お湯注いだから、あと1分。
どうせなんか作るんでしょ。
二人分のラーメンが食卓に置いてあり、


もう湯気が出て、作っていてくれていたのだと分かった。


それから溶かしたものも見たのか、


きっとこれから何か作ると予想し、


時間を短縮してくれた。


本当に観察眼が凄いし優しい…!
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
白布く~ん!!ありがと~!!
白布 賢二郎
お詫びは夜ご飯ね。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
うんっ!しらす使うからね!!
白布 賢二郎
いやあの冗談…。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
遠慮しなくていいんだよ!
白布 賢二郎
いや…あ~調子狂う。じゃあそれで。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
はいっ!
それからラーメンを頂いて、


久しぶりのカップラーメンの味が体に染みた後。
白布 賢二郎
てかさ、何作るの?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
えっと、スイーツを作ろうかと…。
白布くんも食べる?
白布 賢二郎
んー、溶かしたそれってキャラメル?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
そう、塩キャラメル!買い貯めしてたから、使ってみようかなーって。
白布 賢二郎
国見にか。病人だけど、
まぁ喜ばない訳がないね。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
私もそう思って。
白布 賢二郎
…じゃあ貰おうかな。
あなたが作るものだし。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
そんな~(笑)えっと、じゃあ私も味見に作るから三人分、だね。
白布 賢二郎
ん、手伝うことあったら言って。
俺そこでレポートやってるから。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
ありがとう!
レシピは先から決まっていたので、


淡々と進めていくのみ。


この調子で行けば30分あれば十分。


それから冷やせば、


いつでも国見くんに出せるだろう。


少しうきうきとしつつ、


キャラメルの匂いが広がる部屋で作業を進めた。

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